第14回口頭弁論傍聴記 3 


在特会筆頭副会長八木氏が宣誓、尋問開始。
まず、被告側の主尋問から。以下箇条書き。




◆(本人の陳述書を示し)これは間違いありませんね。
間違いありません。

◆訂正するとこはありませんね。
ありません。

在特会ついて書いていますが、在特会は平成19年に会長桜井誠氏が中心になって設立した市民団体であるとあるが間違いないですか。
間違いありません。

◆八木さんが在特会を知ったのはいつですか。
ちょうど発足のときにネットで知り、その発足集会に参加しまして、桜井誠が中心と書いてますが、それは発足集会の時を捉えていってます。元々、準備段階の時があるが、その頃は知りません。

◆発足集会が平成19年という事ですね。
そうです。

◆それ以前はご存じないという事ですね。
そうです。

◆その発足集会に参加されて、会の趣旨に賛同されたという事ですか。
そうです。

◆すぐに入会の手続きをとったのでしょうか。
とりました。

◆入会の手続きは。
公式サイトに登録フォームがあり、それにしたがってするだけです。

◆現在は副会長という役職にありますね。
そのとおりです。

◆何時ごろの就任ですか。
平成20年ごろだったと思います。

◆どういう活動をする団体ですか。
在日特権を廃止するために活動する団体ですけど、在日特権に関わるものだけではありません。これはそれに関連するものとして捉えているのですが、各種、例えば不法滞在の問題であったり、チベットの問題等など、将来は在日問題と同じような問題になる可能性のあるもの。或いは国家主権に係る問題。それらに対して活動をやっております。

◆裁判でも手法のとこが問題になっています。裁判でも問題になっているような街宣活動、それを主としてやっているのですか。
それは違います。確かに街宣、デモ行進は活動の柱になっていますが、それだけじゃなくて、勉強会だったりとか、或いは集会をやったり、そういった静かな事を。それと後、生放送を使って主張をいったり趣味を紹介したりしている。

在特会の会員数は現在何人くらいですか。
正確ではないが、いま1万2千人を超えていたと思います。

◆その1万2千人はどういうバックグラウンドをもった人が多いのでしょう、何か共通項みたいなのはありますか。
正確には把握していないが、会の趣旨に賛同した人がほとんどだと思います。中には在特会に反対する人もいると思います。その中で、我々の活動に全て賛同するわけではないと思います。会員の皆さんが。中には静かな行動を好む人もいますし。

(裁判長、共通項という事なので、大雑把でもあれば答えられたいいと思います)
大雑把には在日特権を許さないという思想信条をもった人らだろ思います。

◆特にバックグラウンドはないという風でよろしいですか。
はい。

◆陳述書には、左翼の元活動家や綺麗ごとを言う者もおり、在特会とは良く言えば民主的な市民団体、悪く言えば烏合の衆といった存在でありますと。いうとこがありますが、これに間違いないですね。
はい。

◆悪く言えば烏合の衆と書いてありますが、具体的にはどういう事ですか。
会としての体はなしておりけど、必ずしも全ての問題に対して全員の意思統一ができているという訳ではありません。そういった事で烏合の衆と書きました。

◆会員数は増加傾向にあるのですか。
そのとおりです。

◆会員が増えたきっかけというのが、この事件だと陳述書にありますが、そうなんですか。
そのとおりです。会員数を見ていると極端に増える時期があり、その時が、丁度この事件、なんらかの動きがあった時です。この事件は大きな影響があったと思います。

◆多くの人の共感を呼んだと認識しておられる訳ですか。
そうです。

◆この在特会には本部がありますね。
はい。

◆これは東京にあるのですか。
はい。

◆本部の組織というのはどういった役職の人たちで構成されているのですか。
執行役と言ったほうがわかりやすいと思います。会に対して責任を負うものとして定められております。

◆その執行役にはどういう役職があるのですか。
会長、副会長、事務局長、事務局次長、広報局長、広報部次長。ここまでが、執行役です。

◆それぞれ一人づつですか。
複数いるのがあり、例えば副会長は何人かいます。

◆八木さんは、何人かいる副会長の一人だと言う訳ですか。
そうです。

◆この本部とは別に地方支部というのがあるのですか。
あります。

◆今、地方支部はどれくらいあるのでしょうか。
正確には覚えておりませんで、日本全国多くのとこにあります。

◆この事件があった時には、本部以外では関西支部があっただけと陳述書に書いていますが、それは間違いないですか。
これは、関西支部だけではなくて、確かあの時は北海道、中部、九州があったと思います。

◆陳述書に書いてある事は。
それは設立当初の事です。

◆本部の執行役員は地方支部に対してどういう対応なのでしょうか。
各地域に割り当てられて、そこの相談役みたいな形、それがしっくりした表現になります。基本的に我々の活動は地方支部から上がってきたものを、HPに載せて、基本的には地方支部にまかせておりますけど、向こうから相談があれば受けますし、或いは全国一斉にやりましょうと会長からきた時に、それを全支部に伝える関係になっております。

◆すると本部と支部との関係は、アドバイスしたり全国に呼びかけたりするのが主だと思って良い訳ですか。
そのとおりです。

◆この裁判では指示、命令系統があったのか、実体が問題になっていますけど、その辺りに補足する事はありますか。
私もここに来ている以上、責任逃れをするつもりはありません。ただ、12月4日の事件について最初から知っていたのかというとそうではない。動画を見てはじめて知った。だけど、あいつらが勝手にやった事だというつもりはまったくありません。当時、私は関西支部のメールをチェックできる立場でありました。なので当時まったく知らなかったと、そこまで言うつもりもない。と思ってます。

◆ただ、具体的な指示を関西の人に出したりとか、この事件に関してなかったのですね。
ありませんでした。

在特会の財政というのは何によって賄われているのですか。
寄付で賄っております。

◆その収支明細は会員の方に報告されるのでしょうか。
はい、しています。

◆どうやってされますか。
在特会の公式サイトで会員のみ閲覧できます。そこで会員から承認を得ると形をとっています。

◆会員からの承認はどういうふうにとるのですか。
3月末ごろに収支を出し、それを会員が見て、メールマガジンで呼びかけて、それで承認を得ると事です。

◆地方の支部長とか、どうやって決められるのでしょうか。
そこは会則あります。会則では一応会長の権限となっておりますが、今、副会長が担当しております。

◆次に朝鮮学校朝鮮総連について(陳述書で)、在特会の普段の主張と本件裁判で原告に求める主張に大きな隔たりがあります。これはどういう事ですか。
これは、本件裁判の主張はあくまで不法占拠の解消であって、普段、我々が朝鮮学校に言っている事、これは解体と言ってます。

◆裁判とは別に朝鮮学校の解体を主張している訳ですね。
そうです。

朝鮮学校の解体という主張はどういう理由ですか。
拉致事件の関連で、朝鮮総連が関わったというのは周知の事実で、その朝鮮総連支配下にある朝鮮学校、これも対象になるだろうと。そのように考えておりまして、朝鮮総連も解体だし、朝鮮学校もそうだという事です。

朝鮮学校による公園不法占拠は現在解消されてますよね。
はい。

◆元校長もしかるべき処分をうけてますね。対象になる朝鮮学校も廃止になるという事ですよね。
はい。

◆本件、朝鮮学校へ今後も解体に向けた活動をされる予定はあるのですか。
本件に限っていえば、これ以上やるつもりはありません。大きな枠でくぐった時に、朝鮮学校朝鮮総連とくぐった時に、今後は、引き続き在特会の活動は続くつもりです。

◆陳述書の中で、今言った続きで「とは言っても資金力や組織力において相手のほうが格段に強大な訳で、我々の活動はどうしても後手になってしまいます」と書かれていますが、相手の方が強大とはどういう事実を言っているのですか。
総連がバックについていると。さらにその後ろには北朝鮮という国家がある。しかも政治家のバックアップとかあると。それに対して我々は背景をもたない市民が集まっているだけなんで、そこで大きな力の差を感じております。

◆続けて「私たちは(在特会は)朝鮮学校の存在を認めていませんが、在日韓国人在日朝鮮人の民族教育を否定している訳ではありません」とありますが、どういう事ですか。
事実として韓国系の民族学校に対しては今のとこ何も活動をしていません。それは日本の法律にしたがうものですから、そういったとこにはしていません。韓国系の民族学校の存在は認めておりますし、そういった教育を否定するつもりはありません。

◆ようするに法に違反したり拉致事件に加担した事を問題にしているという事ですね。
はい。

◆12月4日には八木さんは直接関与してないですね。
はい。

◆事後的に知ったが、趣旨には賛同していたという事でしか。
そうです。

◆1月は参加してますね。
参加しました。

◆このデモに参加した動機は何ですか。
デモの趣旨に賛同したというものがありますが、丁度その時に在特会に対して取材依頼があり、それで関西にいかなければという事もありまとめてやろうという事で、半分は執行役として取材を受け、半分はデモに参加しようという事だった。

◆陳述書では「デモ行進では隊列の後方にいました。終着点に近づいた頃、先導車に乗るよう依頼され、マイクを使って紙に書かれたシュピレヒコールを読みました。途中、朝鮮学校関係者がしつこく挑発をし、警察が排除しないのを見てどうなっているのかと思いました。また、朝鮮学校関係者を排除するように警察に強くいったのを記憶してます」と書いてあるが、それが朝鮮学校関係者と八木さんはどうやってわかったのか。
私の主観です。

◆客観的な根拠に基づくものではないのですね。
はい。

◆状況と主観という事でよろしいでしょうか。
はい。

◆3月のデモでも参加してますね。
はい。

◆この時、仮処分が出ている事をご存じでしたか。
マスコミ報道がある事が(在特会HP)掲示板で書かれており、その程度は知っていた。

◆八木さんに対しては仮処分は出されていなかったのですね。
それは後でわかった事で、当時、誰に出されたのか知りませんでした。

朝鮮学校に近づいていく事で仮処分に抵触すると思わなかったですか。
まず、街宣が禁止と、京都新聞朝日新聞か記憶にありませんが、じゃ静かに歩けばいいのかと考えました。あと、通常、(日曜日なので)学校が休みになので、仮処分の内容はわからないけれども、やっても問題ないだろうと思いました。

◆警察のほうから制約はあったのか。(仮処分について)
そこは直接聞いてないですが、やるなとは言われてないと思います。ひょっとしら仮処分出てると言われたかもしれませんが、そこまで確認していません。

◆陳述書に「3月のデモ行進で、印象に残っているのは集合場所の北岩本児童公園で、タバコを吸っていた少年と、解散後の朝鮮学校関係者の横暴です」ありますが、どういう事ですか。
動画のとおりで、挑発行動に警察が「子供じゃないかと」言われて、その前でタバコを吸っていると、子供じゃないじゃないか。だから排除すべきだと。最後の、途中でずっとやられてましたが、最後の、これも主観ですが、恐らく朝鮮学校関係者のかなり激しい妨害活動があった。これは公務執行妨害になると見ていたが、警察に逮捕されるような事もないというのがありました。

◆許可が出たデモ行進を、妨害されて、しかも暴力行為に及んでいると、それを逮捕しない警察をどう思いましたか。
不満に思いました。

◆陳述書に「動画のアップロードについて」とあり「在特会にとって動画の撮影はもろ刃の剣だと思っています」と書いてあります。どういう意味ですか。
我々の主張を訴えて共感する人も現れるが、その反面、変な事をしたら、それが元になり不利益となる事があると。その不利益は徳島の事件、12月の京都事件で、我々の側があげた動画が元で逮捕されたというのがあります。あと、逮捕にかかわらず動画は真実を伝えるので、共感を得られないような行動をすれば支持者をへらす、そういう認識をもっております。

◆先ほど、本件事件を見た人が共感を覚え会員数が増えたと言っていましたが、逆に在特会に対し批判する人も増えたのではないでしょうか。
はい、増えました。

◆それは副会長である貴方はよくご存じですか。
知っています。

◆具体的には。
その前からちょっとありましたが、右翼と呼ばれる人たちが在特会に対して批判的な意見がだいぶ聞かれるようになりました。同じ方向を向いていたと私は思っていたが批判が増えた。

◆どういったとこを批判していますか。
よく言われるのは、弱いものいじめだと言われる。そのような批判です。

◆この裁判ではヘイトスピーチという批判を受けていますね。
あんまり説得力になっていないですけど、私たちは在日韓国人在日朝鮮人全体に対して憎悪を向けている訳ではないと。一部、どこまでが一部という問題はありますが、今回で言うならば、不法占拠をやっていたと。それに対して批判していると。或いは各主張を見ましても、あくまで我々の対象というのは反日的な在日朝鮮人在日韓国人反日的な左翼であって、全体を指している訳ではありません。そういう事です。

◆八木さんもヘイトスピーチを受けていると陳述書に書いていますが。「そして動画よってヘイトスピーチを拡散するという主張に対して、自分たちはどうなんですかと言いたくなります。被告八木、被告在特会に対して醜悪で見苦しいゴキブリども表現し、その動画を拡散しようとしていたのではないでしょうか」実際どうなんですか。
それは東京で朝鮮学校の無償化を求めるものがあり、原告とどういう関係があるかわかりませんが、原告の弁護団の一人である、K氏が登壇して意見を述べています。つまり原告に関連したデモ行進と言ったとこで、私たちは沿道からカウンターをかけました。それを朝鮮学校側からデモ行進を撮った動画があげられており、そこのコメントで「醜悪なゴキブリ」と書かれ、ちょうどそこに私が映っていたという事です。

◆本件で貴方がたが差別的な表現をしているという非難について言っておく事はありますか。
私たちはあくまで、悪い在日韓国人、悪いはあれですが、反日的な在日韓国人在日朝鮮人に言っている事で、言葉の上でいきなり在日朝鮮人だとか、朝鮮人とかで意見を述べてしまっているんで、必ずしも端的にそこは使い分けているという訳じゃありませんけど、意識の中でそのように考えています。全ての在日朝鮮人、韓国人に悪口やヘイトスピーチを言っているつもりはありません。いずれ善良な在日韓国人朝鮮人の方々は、理解して頂けるのではないかと思っております。



以下、原告代理人◆より反対尋問

◆貴方の陳述書では「(デモが)大きな成果に結びついた」とありますが、1月のデモが告知されたので、朝鮮学校が校内の授業をあきらめて生徒たちを課外授業に連れ出した事は知ってますね。その事についてどう思われますか。
成果という事ですか。

◆肯定的に捉えていると陳述書に書かれているのでお尋ねしてます。
その事(課外授業に出た件)に関しては私はあんまり意識しておりません。成果に関しては地域住民に訴える事ができたという事です。

朝鮮学校の授業を妨害したというのが裁判のテーマですが、それを考えてこなかったと。
考えてこなかったじゃなくて、今、聞かれたとこです。

◆今はどう考えていますか。
特に思ってないです。

◆授業を妨害し悪い事をしてしまったと思ってないという事ですね。
はい。

◆3月のデモで仮処分がでていたが誰に対してだされたかわかっていなかったが新聞記事で街宣活動は禁止だとは知っていたと。
そうです。

◆ではどうして街宣活動を中止しようと思わなかったのか。
まず、先ほど答えたが、日曜だから問題ないだろうと、あと街宣が禁止なので静かに歩けばいいかなと。

◆静かに歩いていたんですか。
いや、歩いていません。

◆日曜日はいいと。(仮処分内容の)確認はされていましたか。
していません。

◆試みましたか。(仮処分内容を)警察に聞いたとか。
してません。

◆陳述書によると在特会は民主的な市民団体とありますね。会長はどうやって選出するのですか。
会長選挙で。

◆選挙があるんですか。桜井さん以外の人が立候補した事はありますか。
多分、ないと思います。

◆多分?ご存じないのですか。
設立のときは知りませんから。

◆発足集会からご存じなのですね。
そうです。

◆発足集会以後はどうですか。
発足集会以後は、桜井です。

◆一人しか立候補者がいない場合は信任投票みたいなのになるんですか。
承認の手続きがあります。

◆承認の手続きとは。会員が答弁したりするんですか。
まあ、そうです。

◆桜井さんの信任の時の賛成反対の票数はどうなんですか。
そこまで記憶しておりません。

◆正確にでなくてもいいんですけど。
圧倒的多数だったと思います。

◆貴方は毎回この裁判にこられておりますね。
毎回じゃなく、ほぼです。

◆貴方は何故、毎回熱心にこられるのですか。
被告なので、出てます。

◆それは貴方の個人的な考えで
はい。

◆他の被告、特に在特会会長の桜井さんが一度も出席しておられないのですが。それは何故か、聞いておられますか。
出たくないからと思います。

◆何故、出たくないと言っているのですか。
それは知りません。

◆理由は聞いていないと、
聞いてません。

◆では八木さんは被告個人という事で毎回きておられるのですか。
はい。

在特会副会長として裁判の内容を会長に報告とかはしてないんですか。
一応してます。

◆毎回出席している事は(桜井氏は)知っているわけです。
言ってくるよというが、事前に知っているか知りません。

◆交通費は在特会から出ている訳ではないのですか。
自費です。

◆全部、自費なんですか。
そうです。

在特会は交通費を出してくれないのですか。
在特会からもらう事もできるが、私は自費でやりたいとやっているだけです。

◆桜井さんがニコ生で、朝鮮学校の(元)校長先生を呼び出しているのに逃げているとおっしゃっている事を貴方はご存じですか。
具体的な内容は知りませんが、(資料を見て)言ってます。

◆貴方はニコ生を見なかったのですか。
全部、見ているわけではありません。

◆そのニコ生(桜井氏の上記発言があった)は見ましたか。
見てないです。

◆(そのニコ生の書き起こしをしめしながら)「校長の証人申請をやっていて、それを向こうが断っているんですよ。自分たちが訴えといて、証人申請したら逃げるわ」とおっしゃっていますね。
はい。

◆これは貴方が報告してるのですか。
してません。

◆この内容が間違っているという事を貴方は知っていますね。
間違っているというか、本人がぜひやってくれというのは知っている。

◆(元)校長先生の証人申請をやってくれと、誰に言っているのですか。
私とか被告代理人とかに。

◆この裁判の段階で被告代理人は証人申請はしていますか。
していません。

◆桜井さんは何を根拠にこれをおっしゃんですかね。
そこは知りません。

◆貴方は朝鮮学校が逃げているという報告をしていませんね。
していません。

◆事実じゃないでしょね。
ないです。

◆桜井さんはなんで事実じゃない事を公に言っているんですかね。
本人は私に証人申請をしなさいと言っていますし、被告代理人にも。恐らく、結果に結びついていないから、言っていると思います。

◆桜井さんは証人申請をしていない事を確認していないわけですね。
してないです。

◆事実は逆でしてね。原告が桜井会長を申請しているのに、在特会側が必要ないと。副会長の八木さんで充分だと。こういうやりとりでしたね。
そうです。

◆何故、事実と違う事を公然と述べるんですかね。
わかりません。

◆(同じく別のニコ生書き起こしを示し)貴方はこれを見ましたか。
みてません。

◆こうおっしゃってますね。「修平さんがね、京都の裁判で証人尋問を受けまして、最後に朝鮮側弁護士から何かいう事はありませんかと言われて、朝鮮人側に御免なさいしちゃったんですよ」といっていますね。
はい。

◆前回の西村修平さんの尋問で反対尋問の時間がなくなり、(原告側が)尋問をしていないのですが、桜井さんはどうして「朝鮮側弁護士に言われて」と言ってるんですかね。
本人の誤認だと思います。

◆誤認?
私、反対尋問があった事を聞かれてませんので、そういう風に認識したと思います。

◆事実と違う話を公にされて
そうですね。

◆貴方は、後で確認して違いますよと申し出たりしないんですか。
する事もありますし、しない事もあります。

◆(在特会HPの在特会人事ページを示し)在特会副会長の名前で小野田さんの京都支部長を解任する事と西村斉さんを京都支部長に任命する事を伝えてますね。
はい。

◆貴方には京都支部長の任命権、解任権があるという事ですね。
当時はそうです。はい。

◆小野田さんはどうして解任になったんですか。
正確には覚えていませんが、小野田さんにやって頂くのは不適切だと。そう判断したからだと思います。

◆能力的な問題とか、何かあったのですか。
あの時は体調とか、そういった理由だったと思います。正確には覚えていません。

◆西村斉さんを京都支部長に任命したのはどうしてですか。
当時の私の考えとして、この事件がありまして、それを京都支部長として堂々と主張して頂きたいという事です。

◆この時、(西村斉氏は)刑事事件で保釈中の身でしたよね。
はい、そうです。

◆京都、徳島事件で保釈されている時にこの人事があったと。
そうです。

◆保釈条件として他の被告人に接触してはいけないというのがあったと思いますが。
はい。

◆そういう活動に制限ある人を京都支部長に任命したのはどうしてですか。
当時、京都支部の活性がありまして、
(ここで裁判長、まず、保釈条件による疑いはあったのですかなかったのですか。貴方の認識はあったのか)
もし、接触したら違反になるという認識はありました。
(裁判長、あ、あったの。共犯者どうしの接触は禁止されていたのは知っていた。しかし京都支部長に任命した。)
はい。

支部長であったらなら接触すると。
それは(京都、徳島事件刑事)裁判が終わってからでいいかなと。

◆裁判が終わってから実際の活動をすればいいと。
はい。

◆裁判が終わってから人事を発令する考えはなかったのですか。
この時は、大々的に発表したいのがありまして、思い切ってだしたました。

◆それは八木さんが考えたのか、他の人と合議したのか。
相談はしました。

◆会長と?
会長、副会長と。みなさんと。

◆川東さんが水平社の前で差別街宣をして民事で150万払えと判決が出た事をご存じですか。
知ってます。

◆この件で、在特会は川東さんを処分しましか。
この件では何もやってません。

◆それは何故ですか。
本人が在特会とは関係ないと言ってますから。

◆関係ない事でも、在特会の名誉にかかわるような言動があったなら処分する事もありえると思うのですが。そういう提案もなかったですか。
ないです。





八木氏に対する尋問の前半である。
今回は、八木氏が、被告側のいう「在特会の事は副代表である八木氏で事足りる」という主張についての検証のみで止める。
まず、被告側からの主尋問で、在特会の組織性と活動範囲などを述べているが、これは、自称桜井氏が出廷しなくても、在特会の組織の在り様は八木氏の説明で事足りとした被告側の主張に沿ったものと思われる。
この裁判において、事件を起こした被告側の主体勢力である、「主権回復を目指す会」と「在日特権を許さない市民の会」という2つの組織がどのような組織であるのかを検証するのは重要なポイントといえる。例えば、刑事裁判において犯人が何故犯行に及んだのかを検証するのと同じで犯行の動機も背景も事件解明にはかかす事ができない。
そのような意味において、主権回復を目指す会西村修平氏が出廷し、実体として一人親方であり、1月、3月の一連の嫌がらせ活動は西村氏の主導で行われた事が明らかにされ、さらに、主権として「大義のための謝罪」という、事件に対し曲がりなりにも組織としての態度を明らかにした。
さて、そういった観点で、八木氏の証言を見ていくと、彼は設立集会から参加し、それ以前は知らないとあり、組織実体もそれなりにしか知りえなかった印象となった。
何よりも、彼は「被告として個人参加」として、その発言の重要性についてしていると気づいているのだろうか。尋問を読めばわかるが、組織を代表しての発言は乏しく、八木氏個人の発言に留まっているとみていい。
これの何処が「組織の説明は八木氏で事足りる」なのだろうか。

それにしても怪訝だったのは、在特会の公式では、彼は在特会の「法務担当」としてこの裁判に臨んでいる立場のはずなのだが、何故か「個人参加」を述べている。
これは単に答える機会を逸したのか、ファンクラブだから、そんな大層なものではないという組織性のためか、よくわからない。
しかし、いずれにしろ、彼が「在特会を代表して」でも「事足りる」ものではなかった事はわかった。
そして、原告側の反対尋問で確認されたように、自称桜井誠氏がニコ生において「朝鮮学校は逃げている」等と言う証拠資料が提出されており、それがまったくの嘘出鱈目である事が副会長によって認められた。
この事実はなんだろう。被告側がいう「八木氏で事足りる」という一見もっともらしい理由は果たしてそのまま受け取る事ができるのだろうか。
自称桜井氏が法廷に立てば、今までのありとあらゆる発言が検証されるのは目に見えている。事実と信念に基づき嘘つきでないとするならば、何も恐れる事はないだろが、果たして自称桜井氏の場合はどうだろう。


総論は後半も含め次回。







本日のグルメレポート
くつきそば 永昌庵 (えいしょうあん)。京都から367号線を北上。朽木大野にある風情ある田舎のそば屋さん。まんま田舎の蕎麦で、手作り感そのもの。少し遠いですがいったおりにはお勧め。