M氏裁判 初めにと訴状

この裁判は、M氏に対しA氏が暴行を行った事により事件化され、それによりM氏がその現場および現場近くにいた人々を訴えた事件である。
そして裁判の被告も原告もレイシズムに反対する所謂「カウンター」と呼ばれる人らの裁判となった事もあり、それをカウンターへの攻撃よろしく、数々の事実の歪曲、誹謗へと繋がり事実からかけ離れた喧伝がなされている。筆者は、この裁判の書面を通じ事実を明らかにする必要を感じた。

本来ならば、この事件を世に訴えようとする原告側がこのような作業を行ってほしいし、原告の支援者らの中にもオープンで良いとの意見もあるようなので、是非、今後は裁判書面を明らかにしてもらえれば、筆者は楽になるのでお願いしたいところだ。

なお、この裁判呼称については、ネトウヨとされる人々が「十三ベース事件」「リンチ事件」としているが、それは事実からかけ離れたものである。例えば場所違いは論外だが、「リンチ」という言葉が「私的制裁」とするならば「個人的制裁としての暴力」はあった。ただし社会的に「リンチ」と言えば「集団暴行」のイメージとして捉えられており、まさにこの事件を利用し現場近くにいて被告とされた人々、さらにはカウンターを落としこめるために意図的に使用された呼称と言えよう。よって原告側も「M君の裁判」と呼称し支援活動を行っている事から、当ブログも「M氏裁判」とする事にした。





では、最初に原告側が何を訴えているのかを紹介する。
登場人物については、当ブログは、今後、以下の表記とする。
原告M氏
被告A氏、B氏、C氏、D氏、E氏。

また、原告訴状紹介の後、被告側答弁書を紹介するが、それらは一語一句そのままではない。ただし意は間違っていないと思う。




原告側訴状

請求の趣旨

請求額 1106万2530円。
訴訟費用を被告らの負担とする判決並びに仮執行を求める。



請求の原因
被告らはかねてより原告に暴行を加える旨を共謀し、平成26年12月17日に大阪市北区飲食店から、原告に電話「今から来る根性あるか」などと挑発、同所に呼び出す。
原告が本件店舗に着くや被告Cが右拳で原告の顔面を殴打。その後、原告は同所に留め置かれ、被告Aから一時間以上にわたる何十発もの殴打と罵倒を受けた。その間、被告Bも右平手で原告の顔面を殴打した。
被告D、Eは直接の暴行はなかったものの、その場から離れることなく、原告を威圧するとともに被告C、A、Bらの暴行を幇助した。

二 事件後の経過
本事件発生直後である同日午前10時頃、病院へ直行した原告に対し、なおも被告Aは電話で「お前、まだ言いたい事があるのか」など罵倒を続ける始末であった。
その後、被告らから誠意ある対応が見られなかったところ、平成27年1月19日、ようやく被告C、A,、Bらの代理人弁護士から補償をしたいとの申し入れがなされた。
被告A、B、Cらは「Cさんの裁判を支援する会」など、外国人差別の解消に向けた各種活動を広く展開する者であるが、平成27年2月9日ごろ、ようやく「かかる公的な活動に関連して本事件を起こしたことを深く反省し、活動をしばらく自粛する」と原告に伝え、示談による解決をしたい旨を申し入れてきた。
ところが平成27年8月29日以降、被告C、Bはかかる申し入れを守ることなく、原告に何ら説明することもなく、以前と同様の活動を展開し、逆に原告を誹謗中傷し続ける有様であった。

三 損害
以下、通院治療費、障害慰謝料、後遺症慰謝料、弁護士費用の根拠が述べられている。

四 被告らに対して民法709条、719条1項2項による損害賠償請求に基づき、請求の趣旨記載の判決を求める。


訴状には甲号証として、各診断書5点および被告Cの手紙、「活動再開について」とする書面と原告の被害写真、被告代理人からのFAXが提出されている。

以上。