高裁判決傍聴記

7月8日、朝鮮学校嫌がらせ裁判を傍聴してきました。
本日は高裁判決が出る日という事もあり、裁判所正面入口には学校支援者200人程がおりました。
裁判所の指定により裁判所西入口より入場の在特会側は周辺も含めて約30名程であったと報告があった。在特会自称桜井会長は50名とか言っているが、さば読みですよといっときたい。
今回の法廷である202号法廷の席数からしたら約2倍の競争率であったが、なんとかもぐりこみ、席に陣取る。
在特会側とされる席を見ると6名がおり、何故かその席の後ろは公安が4名が座る。記者が10名ほどで、あと残りはほとんどが学校支援者と思われる。
法廷風景は、学校弁護団らが何時ものように10名ほど、在特会等側は何時もの八木氏と徳永弁護士以外にこの日、在特会会長の自称桜井氏が来ていた。
裁判長入場まで、その自称桜井氏を見ていたが、ほとんど傍聴席を見る事はなかった。

今回、高裁判決を迎えるにあたり、在特会側の控訴理由書も読んでみたが、新事実もなく、正直、一審において在特会側が持ち出していた「表現の自由」と「政治的主張もある」の焼き直しとしか思えなかった。
よって、高裁判決は前回エントリーで書いたように
「この控訴審における在特会等の陳述と一回結審を見る限り在特会等の訴えを組むものとは考えられない。判決の構図は、どこまでいっても高裁による原審判決の精査というものになると思われる」で間違っていないと考える。
その意味で、判決が出るまでドキドキですよ。


裁判長らが入場し、マスコミの撮影が2分入る。この2分なんか長いなと感じていたとこで撮影が終了。
すぐに裁判長が、事件番号を読み上げ、判決が響き渡る。


「本件、各控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」


うおっ、やった。傍聴席がざわめく。


「判決は長文になるので省略します」


すると、在特会側席後ろのほうから女性のかな切り声が響きあっけにとられた。


「日本の司法も終わったね。腰抜けばっかり」「朝鮮人におもねって。恥を知れ、恥を。」


見れば現代撫子倶楽部中谷良子氏であった。
それをとがめる声が入る。彼女はそこにむかって言い放つ。


「うっさい、朝鮮人。拉致実行犯やないか、あんたら、ニッポンから出ていきいや」


彼女は裁判所職員により表に連れ出されていく。
その間も彼女のかな切り声が響く。


「ニッポンから出ていけー」


何が起こったのかしばらく茫然としていた。
判決は、完勝と言えるものであった。
しかし、その判決が下された法廷のその場でヘイトスピーチがこだましていた。


あほうが一人騒いだだけで、判決がひっくり返るはずがない。当然だ。
しかし、一人のあほうが発するヘイトスピーチでも人を殺す事はできる。
これは象徴的な出来事なのだろうか。

原告の訴えが実った喜びと、少しのやりきれなさとをかみしめながら支援者集会に向かった。




以下、
控訴審弁護団コメント 
判決文(マスキング済)
理事長・控訴審コメント 
https://drive.google.com/folderview?id=0ByANmUwyq0NVQW1DRVFrOXF6Ums&usp=sh


判決感想は後日。