第10回口頭弁論傍聴記 前半

まあ、うちのネコは重くてこういうのは出来ないでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=WxGS-2M6_5I
そんな私の傍聴記です。


1月25日、本日も京都裁判所に朝鮮学校嫌がらせ裁判の傍聴を求めて行ってきました。
少し早くについて、学校支援者らと雑談。
傍聴券を求めて今回も100名程の学校支援者らが列をなしており、在特会側も数名いたようだ。一般傍聴席75名をめぐる抽選があり今回も当たり。ここまで外れなしで運よくきているが、これが最後まで続いたら本当に凄い確率だなと思いながら法廷内に入る。
今回の口頭弁論は、前回より引き続き被告側証人への尋問となり、前回、病欠により出廷しなかった西村父氏とチーム関西のカメラマン役であるブレノ氏が証言台に立つ。
西村父氏は首謀者である西村斉氏に街宣車を貸出し、一連の朝鮮学校嫌がらせ事件への関与を問われている。また、ブレノ氏は在特会・チーム関西の活動を撮影し動画をネット上に上げるという行為が問われ共に被告人とされた。


裁判長が入場し開廷する。原告席には弁護士団、被告席には徳永弁護士の他に今回尋問予定の西村父氏、ブレノ氏と父の付き添いのためと思われる西村斉氏がいた。
何時ものように原告・被告双方から前回裁判以降に出された書面、証拠類の確認が行われた。さらに被告側より次回3月7日について何かの申立てがあったようで、裁判長からも事務的な事柄を示唆するような話があった。
それらが終わり、西村父氏とブレノ氏の宣誓が行われ、そのまま西村父氏に対する尋問となる。
冒頭、原告弁護士より、この西村父氏に対する訴状内容は、ようは「学校周辺で街宣活動行う西村斉氏に車を貸すな」という旨が述べられる。
訴状を読めばわかるが、つまり、他被告らのように原告請求による賠償金が発生しない立場にあるのだが、これを聞いた徳永弁護士が、驚いたような仕草をした。どうも、他被告らと同じく賠償金を請求されているものと思っていたらしい。これには筆者もちょっと驚いた。今更何を言っているのだと。


在特会らによる朝鮮学校に対する襲撃事件裁判を支援する会(こるむ)
http://korum.seesaa.net/article/235180629.html
(第一請求の趣旨の2)


そういう訳で、西村父氏の尋問では、ひたすら「(自分は)免許を失効しており、西村斉氏が勝手に車をつかった。自分は西村斉氏の政治活動は知らない」という趣旨の証言を行っていたが、これは後の学校支援の報告集会で弁護団も報告していたが、免許がなければ好都合であり、車は必要ないに繋がる。ようは車を貸さなければいいだけの話で、何もこの西村父氏が他被告のように朝鮮学校に対するヘイト活動を行ったと言ってないのだ。
そのためこの西村父氏に関しては、事件の首謀者である西村斉氏が学校周辺で嫌がらせ活動のために、車を貸しださなければそれで終わりとなる。
原告側からすれば、この裁判の目的である他被告への損害賠償要件である嫌がらせ活動をやめさせる訴えが認められれば、それに付随して認められるものである。よってこの尋問は被告側からすれば「訴えられるものではない」という証言は、実は裁判としてはさして重要な話とならないのでここで割愛させてもらう。

ここで言っとかねばいけない話だが、筆者は当初この西村父氏をエロ仙人氏ではないかと書いてしまった。最初の法廷で見たきりで、当時まだ訴訟内容もよく理解しておらず、在特会関係者として風貌が似ているのがエロ仙人氏であったので、そう判断したが、この日、確かに別人である事を確認した。
よって、間違った情報を流し、さらに西村父氏、エロ仙人氏にご迷惑をかけた事をお詫びします。また当ブログにおいての当該記事を訂正させていただく事にする。




さて、続けてのブレノ氏は西村父氏とはまったく違う。
ブレノ氏に関しては、彼の動画を通じて誰もが見られるネット上において、在特会・チーム関西の蛮行が繰り返し流され、肖像権もおかまいなしにレイシズムに満ちた在特会・チーム関西の言動が拡散され、被害者である朝鮮学校に対しての2次、3次被害へと繋がっており、弁護団書面においても特に悪質性の高い被告人として訴えられている経過がある。


そのブレノ氏は陳述書において次のように弁明を行っている。
陳述書(要旨)
① 現在、フリーカメラマン「ブレノ」として自分で撮影したDVDの販売等を仕事にしている。
在特会、主権との関係
会員ではない。前にも今後も入会する気はない。何らかの団体に入る事は苦手というのもあるが、どんな会と聞かれたら間違った説明をして多くの人に迷惑をかけてしまう事を思うと息がつまりそうになる。在特会や主権は他の日本人と違って積極的に行動する点は賛同しているが、政治的信条について、それが正しいのか間違っているのかといった評価を下すことはできない。
政治や社会問題については無知で最近ようやく「何故、祖国(共和国・韓国)の人は同胞を返せと言わないのか?」等を掲示板に投げかけて少しずつ理解をしている段階で、判断出来る状態ではないと思っている。在特会、主権のHPは見ない。他を見ていてつきあたるくらい。2ちゃんねるは見る。mixにも入ってない。
③ 動画の撮影と投稿について
もともと左右問わなかったが、左は規制や注文が多い。右のほうが鷹揚で自由だったので行くようになった。私自身の信条は「知らないことは悪」というニュートラルなものです。
日教組教育を受けたから権力は好きではない。保守活動をしているが活動では、それが正しいかどうか判断できない。
公正中立に真実をありのままに映像を通じて大衆に知らせる、記録に残す、後世に判断を委ねるというのが私の使命だ。
初めの活動は「Japanデビュー」(NHKスペシャル番組)を見てから。自分が共感できないからとか、イメージが悪いという理由でカット編集する事はまったくありません。
④ 動画投稿について
投稿した動画は手を加えずに投稿している。訴状では差別的なコメントを投稿しているとあるが誤解だ。街宣活動を投稿して何が問題かわからない。
差別的なら、ニコニコは削除される。削除の申し出があれば基本的に削除してきた。被害があるというが、何故、放置しているのだ。
⑤ 学校側の動画はいいのか
朝鮮学校が、何故、私を訴えてきたのか今でも理解できません。自分達の影響下にない投稿を選別して、裁判に訴えるというのは、恣意的な言論弾圧そのものです。朝鮮の方々は、自己主張の強さを朝鮮の文化だと思っていますが、日本人もおかしい事はおかしいと言った声を上げなければいけないと思います。
後、12/4、1/14、3/28それぞれの撮影の事実関係。
以上。


(これより、尋問メモの清書になるが、まず、弁護人とのやりとりは全てですます調だが省略した。さらに厳密ではないというか、正直、証人が質問に対して的外れな証言が多く、それらを削除、できるだけ脈絡のある内容にしたつもりだ)


被告側代理人より尋問

◆まず、この陳述書は間違いないですね。
間違いありません。(ここで陳述書の誤字を訂正)
◆経歴についてです。現在は何をしておられますか。
現在は、保守系カメラマンです。撮影活動。DVDの販売をしている。
◆フリーカメラマンという事でよろしいですか。
はい。
◆どういう名前でしておられますか。
ブレノです。
在特会主権回復を目指す会との関係については
会員ではありません。過去にもありません。今後については今のとこ入会する気はありません。
◆参加しないという理由はなんですか。
会に参加するとなると会の趣旨等を説明しなければならない。それを正確に説明できないし、それは苦痛である。
在特会主権回復を目指す会の活動を見てどう思っていますか。
その活動が正しいのか間違っているのかをする立場にないし、そういう事はわかりません。
◆積極的に評価しているとこはあるのか。
日本人は不利益であっても声を出さない中で、駄目なものは駄目と声を上げている。
在特会主権回復を目指す会のHPを見るのか。
ほとんど見ない。何かのニュースを(ネットで)調べた時に偶然見る事はある。
在特会主権回復を目指す会の活動を知る時どのようにしていたのか。
最初は2ちゃんねるで。顔見知りになってからは、直接荒巻氏らとかに聞かれていきますとなった。活動の中身は聞かないで撮影に行くようになった。最近は活動内容によってどの(撮影)器材をもっていくのかの判断をするために内容を聞くようになった。
在特会、主権回復と打ち合わせのような事をした事はありますか。
一切ない。
保守系活動が多いと思うが理由はあるのか。
元々、左派右派とわける事はなかったが、左派は活動を自由にさせてもらえなかった。
◆撮影する上でポリシーはあるのか。
映像を見た人が判断する事である事だから無編集で流す事。
(何か言いながら混乱している様子があるが聞き取れず)
◆一部始終動画が流れているのは、それはポリシーによるものなのか。
はい。間違いないです。見た人が善悪を判断するのが正しい事だと思っている。
◆撮影活を何故はじめたのですか。
NHKの「Japanデビュー」という番組で台湾の人のインタビューで、NHKは悪い事ばかりしていたとの偏向報道あったので、それまで信頼していたのに裏切られたという思いになった。
◆無編集であれば、自分に社会的に信用がなくても見てもらえるとは?
何かカットがあればうんぬん。(ようは、ありのままに流せば信用してもらえると思っている)
◆編集しないのは、貴方なりの公平な報道という事か。
そのとおり。
◆今までUPした動画にはどんなのがあるのか。
街宣、デモ、公園、市役所とのやりとり。
朝鮮総連朝鮮学校を撮影する価値があると考えたのは何故か。
当時、政治には無関心で、あの映像がどれくらい見られるかわからなかったが、実際には多くの人がみてくれてニコ動のコメントも多く、社会に注目されているのがわかりました。
朝鮮総連朝鮮学校在特会らとではどちらが正しいとかはもっているか。
もっていません。
◆見た人が判断する事か。
というのもあるし、5年、10年、20年後に見た人が、僕がしている活動が正しいのか、それは社会が変わる事で変わっていくのじゃないでしょうか。
◆この裁判では中立の立場で撮影していると見られてない。12月4日の動画には軽快な音楽があるが、それは貴方が編集したのか。
はい。
◆その音楽は一定の誘導になるのではないか。
できるだけ早く公開したかったので、はやくUPするために、この音楽を載せただけ。そうなるとは考えてませんでした。
◆動画にタグをつけた事はないか。
タグあらしというのがあり、(システム上の説明あり)
◆動画にコメントをし、一定の評価を加えるような事をしているか。
書いてない。見た人がきめる。
◆何故、多くの人に伝えるのがわからないというが、それは間違いないか。
間違いない。
朝鮮学校側から映された動画もあるようだが、それは貴方が撮ったのか。
いえ。明らかに門の内側から撮られたものです。
◆(今回の事件で)貴方の投稿した動画が今まで削除された事があるのか。
現在までありません。
◆その件ではどういう処置をするのか。
多くの人に見られたり、差別的だと思うなら、ニコ動に削除要請するか、メールで当事者という事がわかれば対処します。
◆貴方が撮影した動画がテレビに流された事があるか。
MBSのニュースに放送された。
MBSから断りはあったか。
断り自体はなかったが、DVDは渡した。
◆12月4日の撮影の経緯だが、予告はあったようだが知っていたか。
知りません。
◆誰から教えてもらったか。
その前の活動で、西村斉さんか荒巻さんかのどちらかで、斉さんについていけば何かあるかなと思い行った。
◆集合場所には
一人でいった。
◆現場には在特会の誰かいたか。
普段なら30分前からいるが、いなくて、不安になって帰ろうとした時に荒巻さんらがきた。
◆街宣活動がはじまって、それを撮影してそのまま動画サイトに投稿したという事か。
はい。
◆動画サイトに投稿する時にどういうタイトルをつけたか覚えているか。
公園を無断使用する朝鮮学校から勧進橋児童公園のようなタイトル。
◆陳述書には「12月4日京都児童公園を無断で校庭として使う朝鮮学校から奪還」と書いているが、これで間違いないか。
はい。
◆1月14日の撮影について、どうやって情報を入手したのか。
荒巻さんに聞いた。西村修平さんと抗議があると。
◆1月14日の件で事前に打ち合わせとか企画とかしなかったのか。
一切ありません。
◆3月28日は、何時、誰から聞いたのか。
前回活動時に荒巻さんから話があった。学校へのデモのほうは東京の人がやると聞いたので、河原町のほうにいった。
◆それはブレノさんが打ち合わせをしたという事ではないのか。
話は聞いたが、在特会とか意識しないで聞いた。
(ここで、陳述書の内容と違うという事で訂正がはいる。しかし、冒頭で陳述書の内容を本人が確認をしたはずなのだが)
(さらに、ここからデモ内容を聞いた日をめぐりブレノ氏が訂正をはじめ、徳永弁護士の声がたかくなっていく)
◆原告から出された資料だが、間違いないか。(ここでブレノ氏作成の「在日特権を許さない市民の会として在日朝鮮人をウトロから追い出そう」というビラを指定)
間違いありません。
◆中立の立場を守って活動しているといったが、ビラを作成、これは明らかに在特会の活動ではないのか。つじつまが合わないのではないか。
今までの仕事で広告とか販売戦略という意識があり、自分がもし作ったらどうなるのか試したかった。動画のアクセス数を伸ばせる手段になるのではないかと。
◆その事はポリシーに反するのではないか。
誰に指示を受けたわけではなく、自分で勝手に作ったので。
◆ですから、中立で動画のUPとかやっています。それがこれは違うのでは。それを聞いている。
そう思ってしまうのは仕方がないと。
◆それでいいのか。仕方がないで。
効果が予想よりなかったので、やめた。
◆効果がなかったからやめたのですか。効果があれば続けていたのか。
今は動画をあげるので余裕がない。
◆では、余裕があればやっているのか。
その時と今の考えでは違う。
◆いや、私が聞いているのは、ポリシーでやっているのではないか。効果がないとか、余裕がないとかではなく、(中立の)ポリシーに反するのではないかと聞いている。
ウトロ問題に反感をもって関心をもってもらえれば、それを撮影し公開をする分には何も該当せずに、コメントを自由にしてもらえれば。
◆いや、当時とは考えは変わっていると言いましたね。当時とはウトロの時ですね。どう変わられましたか。
見た人にまかせるというのは変わりない。
◆ウトロの時のように資料(ビラ)をつけては以降あるか。
これ以降はない。
◆ウトロの時一回だけですか。
はい。
◆以上です。



一応、まとめは次回後半後でするが、一つだけ。
ブレノ氏は中立のポリシーを後生大事にしているようだが、被告代理人よる尋問の最後の「ウトロのビラ」部分は、何をどういっていいのか。被告側の尋問であるはずなのに、まるで原告側からの尋問であるような厳しい詰問の連続で、徳永弁護士がいら立っている事がうかがえた。
実はブレノ氏への尋問がはじまり、記述としてできるだけ正確にと思っているのだが、ブレノ氏が的外れで何を言いたいのかわからない事の連続であり、徳永弁護士も何回も言葉を変え質問の意図を理解してもらおうとしていたのが、ありありというか、困った事に法廷内は失笑が何回ももれるという展開であった。

品のない書き方はしたくないのだが、これがなんとも。いやね、裁判長も苦笑でしたよ。



本日のグルメレポート
正月元旦の京都松尾大社の樽酒。1200円(升と少しのスルメ等のアテ付)は高いと思われると思うが、おかわりが200円。酒蔵が神様に供える酒のふるまいで、このとっておきがとてつもなくうまい。メーカーが同じ樽でも市販の酒とまったく違う。筆者は地酒が好きなのだが、ここで飲む日本酒が一番うまかった。