被告側第二準備書面 2

被告側第二準備書面の続き。
基本的にこの後の流れは朝鮮学校側の「訴状」に対する反論となっており、学校側訴状と対で見なければ何に対する反論なのかわかりにくい準備書面となっている事をご理解願いたい。
文中の実名表記については、西村斉氏、川東大了氏、荒巻靖彦氏は刑事裁判において有罪が確定しており、また、実名で活動しているのでそのままとした。さらに、上告した中谷辰一郎氏も実名で活動していたのでそのままとした。それ以外で在日特権を許さない市民の会会長の桜井誠氏は講談社発行「g2」において本名が高田誠と公になっており、1万人を誇る全国組織である公の「ファンクラブ」の会長という事で実名表記とし、副会長である八木康洋氏も指揮命令系統をもつ公の「サロン」の筆頭副会長という事で実名表記とした。後、主権回復を目指す会代表の西村修平氏は実名で公に活動しており実名表記に問題ないと考える。なお、美久氏、ブレノ氏、N・M(西村父)氏については一般人としてハンドルネームとした。(


第2 西村斉、西村修平、八木、川東、荒巻、中谷(6名合わせて「当事者被告」という)の認否

1 「当事者」について
① 「原告」について
ア 原告が教育基本法及び学校教育法に基づく学校法人であることは争う。原告は教育基本法及び学校教育法に基づくものではなく、私立学校法46条4項及び6項に基づいて認可された学校法人である。そして原告が設置している第一初級学校をはじめとする朝鮮学校の施設は、教育基本法6条に1項にいう「法律に定める学校」ではない。その運営及び教育内容については、総連中央本部及び金正日を首領とする北朝鮮朝鮮労働党が事実上決定しており、我が国の「公の支配」(憲法89条後段)に服するものではない。
それゆえに、第一初級学校等の朝鮮学校は、学校教育法1条に基づく「学校」でも、同条124条に規定されている「専修学校」でもない。朝鮮学校は、学校教育に「類する教育」を行うものとして学校教育法134条に規定されている「各種学校」であり、その法的位置づけは、受験予備校や自動車教習学校と同じものである。
イ 京都朝鮮第一初級学校において、日本の小学校や幼稚園と同様の普通教育が行われている点は不知。
ウ 第一初級学校の教職員が14名であるとする点は不知。
なお、甲4号証のDVDに治められている動画には校門の内側に30名以上の大人が無表情でたっているが、これらの大人は教職員ではないということなのだろうか。

② 「在特会」について
被告在特会の実態については前述したとおりであり、会則の内容、運営方式、創設日、支部数については認める。

③ 「西村斉」について
被告西村斉は現在在特会の京都支部長であるが、平成22年3月から平成23年1月まで京都支部長の肩書を有していなかった。
被告西村斉が平成21年12月4日、平成22年1月14日及び3月28日の街宣活動において中心的役割を果たし、公園の不法占拠を行っていた原告を含む総連グループ及びこれを法治してきた京都市に対して、拡声器を用いて批判・糾弾・抗議の声明ないし発言を展開していたことは認める。但しそれらの声明ないし発言は、在日コリアン全体を象徴とするものではない。また、京都市禄地管理課の担当者や周辺住民等から不法占拠の実情を調査したうえでなされたものであり、根拠のない誹謗中傷でもない。

④ 被告「主権回復を目指す会」こと西村修平について
被告西村修平は「主権回復を目指す会」の代表であり、中国、北朝鮮、韓国等の外国勢力や日本人による反日的活動を糾弾する活動を展開しているものであるが、それは、在日外国人に対する排外主義的活動ではない。その活動方法がデモ行進や街頭宣伝、HP上での主張の展開、動画の配信を中心としていることは認める。被告西村修平が被告西村斉とともに、平成22年1月14日、3月28日の街宣活動において主導的な役割を果たしたことは認めるが、平成21年12月4日の街宣活動には参加も関与もしていない。

⑤ 「被告在特会と被告主権回復を目指す会の関係」について
被告在特会主権回復を目指す会の会員のうち、両者に帰属するものが複数存在していたことは認め(これは被告在特会が開かれた非定型の集団であることの帰結でもある)が「多くが重なっている」とは言い難い。
主権回復の会も在特会在日コリアンを敵視したことはなく、主権回復の会は外国人によるものか日本人によるものかを問わず反日的活動を糾弾ないし抗議の対象とし、在特会は不条理な在日特権を無くすことを目的としている集団である。
当事者被告らにとって総連傘下にある原告による公園の不法占拠の継続は、不条理な特権そのものであり、地域住民による公園使用を制限排除している点で反日的であった。主権回復の会と在特会は他に、外国人参政権問題でも共闘しているが、それが日本の国民主権に関わる問題であり、同時に在日コリアンの特権に関わる問題でもあるからである。

⑥ 「被告八木、川東、荒巻、中谷、美久、ブレノ」について
ア 八木はが在特会の筆頭副会長であり、川東が平成21年12月4日当時、在特会の大阪支部長、平成22年4月9日からは在特会副会長であり、荒巻が平成22年5月3日まで主権回復を目指す会の関西支部事務局長をしており、中谷が主権回復の会関西支部長であることは認める。
イ 美久及びブレノについては準備書面1において述べたとおりである。
ウ 「八木、川東、荒巻、中谷、美久、ブレノが在特会、西村斉と西村修平とともに、平成21年12月4日から始まる一連の原告に対する違法な街宣活動に直接参加し、主導的・首謀者的役割を果たしてきた人物である」とする主張については、①在特会が一連の街宣行為に直接参加したとする点、②それが違法な街宣行為であるとする点、③八木、美久、ブレノが主導的・首謀者的役割を果たしたという点については否認ないし争う。
平成21年12月4日の公園使用に違法はなく、平成22年1月14日及び同年3月28日のデモ行進並びに同日の街頭宣伝は、いずれも事前に「朝鮮学校による公園の不法占拠を許さない」ことを趣旨として進路、場所、日時等を特定して京都南警察署に申請し、道路使用許可を得て行われた適法な政治活動である。
⑦  N・Mについては、被告らの準備書面1において述べたとおりであり、本件各街宣活動に全く関与していない。



2 「事案の概要」について
① 本件各街頭宣伝活動は、第一初級学校による公園の不法占拠を糾弾するという目的に基づく政治活動であり、事前に道路使用許可を得た適法なものである。京都弁護士会前、京都コリアン生活センター前、右京区役所前における抗議活動も同様である。
② 動画サイトを通じてブレノや原告関係者が撮影した動画が公開され、ネット社会の共感を呼び、在特会の会員数の増大などに寄与したことは事実として認める。
③ 本件各街頭宣伝等によって、第一初級学校に通学する児童が怯えたとする点については不知。原告による民族事業なるものが、日本国内で途絶・消滅する危機に瀕しているという事実は争わないが、その原因が被告らの政治活動による妨害であるという主張は争う。
被告ら準備書面1で述べたように、原告を含め総連傘下の団体による民族教育が危機状態に陥っているのは事実であると思われる。しかし、その原因は、本件街頭宣伝活動等によるものではない。北朝鮮金日成金正日独裁政権の指揮下にあって日本人拉致、覚醒剤密輸、不正送金をはじめ数々の違法な反日活動に係わってきた総連の指導の下、民族教育の名のもとで独裁者の個人崇拝と歴史的事実を歪めた反日史観を内容とする洗脳教育が行われているという社会の批判ないし疑惑に対して、なんらその実態を明らかにせず、また、改善を図ってこなかったことが真実の原因ではないだろうか。
民主党政権が公約に掲げていた高校無償化の対象から外された理由は、民族差別などではなく、核実権を繰り返し、韓国に砲撃を行うなどして軍事的緊張を高めている北朝鮮独裁政権及びその統制下にある総連と密接な関係があると判断されたからである。


3 「事実関係」について
① 「平成21年12月4日の被告らの行為」について
ア 「予告」について
所論の時期、ユーチューブに『京都朝鮮学校が公園を不法占拠「主権回復・在特会関西」』と題する動画がアップロードされていたことは認める。
被告西村斉の「これは叩き出しましょう近いうちに」は公園に不法に設置されたサッカーゴールと朝礼台の撤去をいうものであり、児童を対象とするものではない(被告の主張は事実を歪める悪質な印象操作である)。その他、第一初級学校に通う児童の父母らを嘲笑し、非難する文言が動画キャプションにあったという指摘は否認する。
イ 「当日の街頭宣伝」について
㋐ 12月4日の街頭宣伝に参加した被告らの特徴は概ね認める。但し、動画撮影をしていたブレノは街頭宣伝には参加していない。
㋑ 当日の第一初級学校の学校活動については不知。
㋒ 当事者被告らの当日の行動については、シュプレヒコールの内容を含め甲4号証の動画に治められているとおりである(但し、甲8号証の反訳は、第一初級学校の職員らが当事者被告らに対して「バカ」「ボケ」「ぶっ殺すぞ」などと挑発ないし応酬している場面は省略されている)。
a シュプレヒコールの内容に係わる原告の主張は、前後を省略して一部を切り取るなどをしてその意味が微妙に歪曲されており、正確なものとはいえない。例えば「スパイの子供」は直接児童に向けられたものではなく、子供を盾に反論する原告の職員に対する応酬言論である。川東は次のように発言している。「子供子供ってね。お前達がね。その一番大事な子供をね。ひどい目にあわしているんだろ。子供を大事にするんだったらね。こんな不法な犯罪するなよ。犯罪者にね教育された子供が一番の被害者だよ」。なお「スパイの子供」「キムチくさい」は被告らの発言ではない。
b 当事者被告らの街宣宣伝活動が「1時間にわたって、怒号のような」ものだったという点は否認ないし争う。
c 「被告らの限度を超えた怒号に、周辺一帯は騒然とし、京都府南署の警察職員が出勤し、被告らを制止するまでの騒ぎとなった」とあるが、朝鮮学校が通報し南署員が到着した折には特段の静止行動は無かった。その後、朝鮮学校関係者と見られる男が中谷に詰め寄り、やくざ風の関係者が乱入した為、騒乱状態になり、警察官の制止が入ったものである。
d 被告西村斉は、事前に京都市禄地管理課に公園での使用許可を求めたところ、公園での政治集会に許可は不要であるとのことであり、その合法性を確認していた。
㋓ 第一初級学校の学校活動及び児童に関するものであり、当事者原告らは不知。
ウ 「児童への影響」について
 不知。
エ 「学校・父母らの影響に」ついて
 不知ないし争う。
オ 「動画のアップロード」について
認める。

② 「平成22年1月14日の被告らの行為」について
ア 「予告」について
 認める。
イ 「当日の街宣活動」について。
㋐ 当日の街宣活動に参加した当事者被告らの特徴は認める。但し、被告ブレノは街宣活動の動画を撮影していたが、街頭宣伝活動に参加していない。
㋑ 当日の街宣活動は、シュプレヒコールの内容も含め、甲5号証の動画に収められたとおりである、
a 当日のデモ行進による街宣活動は、西村斉が事前に京都南警察書に道路の使用につき、時間、進路、参加人数、趣旨(第一初級学校による公園の不法占拠を許さない)、責任者を届出、使用許可を得ていた。京都南警察署の出勤は総連関係者から当事者被告及び参加者を保護する事も目的としていた。
b シュブレヒコールの内容に関する原告の主張は、前後を省略して切り抜くなどしてその意味を歪曲しており、正確なものではない。
c 当事者被告らは「戦後この朝鮮人は治安が整っていない時期に、なめたことに、旧日本軍の、陸海軍の飛行服を身につけ、土地の不法侵奪、金品略奪、強姦、銀行襲撃、殺戮、警官襲撃など、暴れまくったんです」「朝鮮人として、その自分の土地を勝手に登記し、現在に至っている」「ここに働く括弧付き教師についても単なる北朝鮮のもっとも優れた工作員である。教師とは縁もゆかりもない学校の名に値しない。教師の名に値しない」「スパイの養成機関、日本人拉致の養成機関、朝鮮学校を解体しろ」「朝鮮人を保健所で処分しろ」「犬のほうが賢い」といった発言はしていない。
d 当事者被告らと周辺住民との間で小競り合いがあったというのは否認する。総連ないし原告の関係者の挑発による小競り合いがあったのであり、原告の関係者も警察官に制止されていた。
㋒ 不知。
ウ 「動画のアップロード」について
 認める。
③  「平成22年3月28日の被告らの行為」について
ア 「予告」について。
 認める。
イ 「平成22年3月24日付仮処分決定」について。
街宣活動禁止仮処分決及び仮払金の間接強制決定については認める。
その通知については   (後空白書いてない、恐らく)認める。
ウ 「当日の街宣活動」について
㋐ 平成22年3月28日への街宣活動への参加者及びその特徴は認める。
㋑ 当日の街宣活動については、被告西村修平のシュブレヒコールの内容も含め、甲6号証の動画に収められたとおりである。原告の主張するところは、前後を省略して切り抜くなどして意味を歪曲しており、正確ではない。
また。「住民と揉み合いが激しくなり、警察官に警告を受けて初めて、デモの終了を宣言した」とあるが、実際には朝鮮学校関係者の道路封鎖により、デモ行進が妨害され、中止したものである。
エ 「別動隊」について
原告の関係者が丸山公園音楽堂で対抗集会を開き、被告らを差別集団だとレッテル貼りし、その活動を在日コリアンに対する差別だとすり替えようとしている事を知った当事者被告らは、川東を中心として、四条河原町近辺での道路使用許可を得て、デモ等の街宣活動を行った。別動隊の街宣活動は認めるが、それが第一初級学校及び在日コリアンに対する誹謗・中傷であるとする点は否認ないし争う。
オ 「動画のアップロード」について
被告ブレノが動画をアップロードした事実は認める。被告在特会がブログに甲7号証の記事を掲載したことは認める。
カ 「平成22年6月4日付仮処分」について。
認める。


4 「原告が被った損害」について
損害の発生及びその金銭的評価については争う。


5 「人格権に基づく差し止め請求権」について
①  「原告の人格権」について
原告が民族教育事業を行うことを目的とする法人であり、その範囲内で法人格(権利義務の帰属主体性)を有している事は認めるが、この法人格と結び付いた諸利益を、自然人になぞらえて「人格権」と呼ぶ事には疑問が多く、首を傾けざるえない。よって争う。
原告が民族教育事業を行う利益を有しており、その名誉ないし信用にかかる保護法益を有している事は争わないが、これを「人格権」と読んで特段の保護を与える必要も理由もない。それは目的を権利と言い換え、法人を擬人化するものであり、法人格の人格という擁護を媒介にして原告の利益を特権化する修辞法に過ぎない。
原告の論法を援用すれば、在日特権を無くすことを目的とする街宣活動を行うことは被告在特会の人格権であり、相互の人格権が衝突していることになろう。原告は。子供の学習権の重要性を援用するが、被告らは政治的表現の自由の優越的地位を援用することになる。
なお。在日コリアンに対する民族教育は韓国系の学校でもなされており、京都国際中学校・高等学校がある(なお、これらは学校教育法に基づく学校である)。原告の活動が唯一京都府下の在日コリアンの子供に民族教育の機会を与えるものであるかのような主張は正しくない。
②  「人格権の侵害」について。
否認ないし争う。被告らの街宣活動は、原告の民族教育事業の実地を直接攻撃するものではない。原告は、第一初級学校が50年以上も公園を不法占拠し、地域住民の使用を排除してきたことが、当事者被告らの追求・糾弾を受けることになった事を棚上げしている。
③  「被告らによる今後の原告の人格権侵害のおそれ」について
ア 被告らの関係者がたびたび第一初級学校周辺をうろつき、同校の周辺や敷地内の様子を伺っていたという点は否認する。
イ 被告西村斉、被告西村修平が街宣禁止仮処分に違反して街宣活動を行ったことは認める。
ウ 被告在特会の代表が「反日教育を推進する犯罪者の巣屈、子供の未来を奪う児童虐待を継続して行っている朝鮮学校を1日も早く消滅させるために在特会はこれからも邁進して参ります」との声明をブログに載せたことは認めるが、それは「公正な論評」の範囲内にあり、仮処分決定に違反するものではない。
エ 京都弁護士会に対する抗議活動等の事実は被告らの発言に係わる不正確な引用があるものの概ね事実である。
オ 今後、被告らの街宣活動等によって原告の業務が妨害を受けたり、名誉が棄損されるおそれはない。けだし、当事者被告らの街宣活動を契機として被告西村斉の告発に基づき、第一初級学校の校長が罰金刑に処せられたうえ、サッカーゴールと朝礼台が公園から撤去され、周辺地域に法秩序が回復したからである。
第一初級学校により不法占拠問題が解決した以上、これを糾弾してきた被告らが、今後、原告ないし第一初級学校に対する街宣活動を行う理由はなく、そのおそれは全く存在しない。


6 「第3 関連事情」について。
当事者被告らが所論の街宣活動を行い、平成22年4月14日に徳島県教育会館で行った行為について建造物侵入罪・威力業務妨害で告訴されていることは認める(平成21年12月4日の街宣活動に対する威力業務妨害・侮辱罪とともに起訴され、京都地裁第二刑事部で審理中である)。しかし、それが正当な政治目的に基づく政治的表現行為としての性質を有していることは、本件各街宣活動と同じである。

7 「第4 本件事件の社会的影響」について
①  当事者被告らの街宣活動等が、在日コリアンというマイノリティに対する嫌がらせであり、排外主義活動であるという点は争う。当事者被告らは在日コリアンに対する不条理な特権に反対し、その反日的活動を糾弾しているのであり、在日コリアン一般を敵視するものではない。
② 被告在特会が本件事件後も会員数を伸ばし、勢力を拡大しているという指摘に対して一言コメントを付しておく。
本件事件において特徴的なのは、総連関連団体が、日本社会の中で法を無視して、公園の不法占拠という違法を継続し、多くの国民が有している総連関係者に対する畏怖、そして総連と当局の長年の癒着のなかで、それが特権化し、地域住民の権利が疎外されてきたという経過があるところ、被告らが総連関係者による威迫や報復をおそれることなく、敢然と立ち向かい、多くの犠牲を払って、地域社会の法秩序の回復を果たしたという点にある。当時被告らは、北朝鮮の命を受けた工作員による日本人拉致という悲劇的犯罪が、平時において犯されていたにもかかわらず、総連関係者と支援者による虚偽と威迫、そして政治家による「友好」の寧言と癒着によって長く隠蔽され、法治されてきたことを教訓とし、隣人の違法も見過ごすこともなく批判することの必要を痛感しているものたちである。
本件事件後、被告在特会が多数のネット市民から指示を受け、その勢力を拡大し続けている理由もそこにある。これをネット市民なるものが、社会的弱者に対するイジメによってカタルシスを得ている小児病的病理現象であるというステレオタイプな分析しかでてきていないところに、原告関係者らの病根の深さがうかがえる。
③ 原告による「民族教育事業」の実態に関して様々な批判と疑惑があることは、被告ら準備書面1でも指摘したとおりである。
原告は「被告らの活動に代表される病理的現象は瞬く間に蔓延してゆき、少数者の人権が願慮されない社会を招くことになるのではなかろうか」という「裁判所に対して、在日コリアンという少数者に対する社会のあるべき姿を問うものである」という。しかし、そのようにいう原告が、朝鮮学校において金日成金正日と続いた世襲独裁者を、その主体思想イデオロギーに基づいて民族の首領として神聖視する教育を行い、究極の軍国主義である先軍政治を無批判に受け入れ、現独裁政権北朝鮮の人民に対して行っている組織的弾圧や韓国民衆、日本国民に対して行ってきた拉致事件をはじめとする非人間的犯罪から目を背けているのはなぜだろうか。自らが抱える問題性を棚に上げ、差別問題にすりかえようとしているという被告らの主張はあながち理由のないものではない。
原告は第一準備書面において民族教育の意義について滔々と述べている。そこには民族的アイデンティティや国民的価値・道徳規範、そして固有の歴史と文化に対する誇りが基本的人権の基礎的条件になるという指摘等、日本人として傾聴すべきものが少なくない。しかし、そこで述べられている民族教育事業の理念と教室に掲げられている金日成親子の肖像が象徴しているものとのギャップの大きさに被告らは愕然とせざるえない。
総連系の朝鮮学校における「民族教育事業」については、コリアン社会からも疑問と批判の声が上がっている。韓国の脱北者団体「NK知識人連帯」は日本政府に対して、朝鮮学校の無償化の適用をしないように求める建白書を提出している。建白書は「総連系の学校は、純粋な民族教育を離れて、金日成金正日親子を偶像化する教育のみに重点を置くイデオロギー洗脳場である」と朝鮮学校における民族教育の実際を厳しく批判している。

以上。



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