第17回口頭弁論傍聴記 証人板垣氏 2


被告側反対尋問



朝鮮学校における教育内容のことについて、ちょっと確認させていただく。 朝鮮歴史で、南朝鮮のことも書いてあるというふうに言われたが、これは、北朝鮮側から見た南朝鮮の歴史ということではないかというふうに聞いているが、その点はどうか。
基本的にはそうで、と同時に、韓国のいわゆる統一志向の歴史研究者たちが言っている内容とも、さほどかけ離れていないというふうに思う。

◆よく、大韓航空機事件だとか、いろいろあった政治的なテロ事件、あるいは、韓国の中であった光州事件だとか、そういったものに対する評価、そういったものは、かなり韓国のものとは違うんだということを聞いているが、その点は御存じか。
大韓航空機事件は多分入っていないと思う。で、光州事件に関しては、民主化運動側の観点が入っていると思う。

◆で、その民主化運動の観点というのは、文民政権になっていく韓国の歴史観になっていくので、その点では、そんなに変わらないようにも思うが。まあ, これもよく聞く話なのだが、朝鮮戦争の原因が何であったかということについて、南北の歴史観は随分違うようなのだが、その辺りはどうか。
ここは割れるとこだ。教科書では、米帝によって始められたというふうに書いてあると思う。で、1950年6月25日に、どこが始めたかという点では、もう、今、学会では、北の方から始めたっていうのが定説になっているが、そういう中では、それとはちょっと一致しない部分があると思う。と同時に、一方で、そうは言っても、朝鮮戦争、本当に、50年6月25日に始まるのかという議論が、南にもあることは確かで、つまり、それ以前からのプロセスで考えた場合、必ずしも北が全部始めたとは言えないと言う議論も韓国の中ではある。だから、ここはまだ論争の中身、論争中のとこだと思う。

◆そうではなくて、教科書には、米軍から始めたっていうふうに書いてある。
そうだ。米帝がっていう言い方だと。

米帝がか?
はい。

◆で, そこは、確かめようが、実はないので。で、いろんな憶測を生んだり、誤解を生んだり、或いは、よくない決め付けかも。そういうことはあるのだが、これは公開されていないのか。
どうだろう。いろんなイベントをやっている時に、教科書展示は、よくやっている。朝鮮学校関連の。同志社大学でも、一度コンサートをやったときに、その辺の机に一杯並べておいた。それは公開していないという話にはならないと思う。 まあ、朝鮮語で書いてあるので、普通の人は読めないというのはあるかもしれないが。

◆それは、民間人でも、手に入れることはできるのか。
私は持っている。1セット全部は持っていないが。 ただ、話を聞くとかって,そういうのが出回って、いっぱい揶揄された経験があるので、すごく慎重になっているという話は聞く。だから、悪用しないだろうという確約がある人には渡しているという可能性はある。

◆それは、やはり揶揄される可能性があるという事か。
まあ, されたという実績があるという事だ。

◆で、現在は、改定されたと。2003年。
 そうだ。

◆それから以降も、そういう形で、一般公開っていう形では、今、ありませんよね。
禁止しているかどうかまでは分からないが、とにかく、見られる状態にはある。

◆そうなのか。
はい、 一般の人が。買えるかどうかは分からないが。

レイシズムのことについて、ちょっと確認したいが、結局、先生が今言うのは、在特会が行っていると言うレイシズムというのは、文化的レイシズムという範疇に入るという意見か。
在特会に限らず、日本では、欧米のような科学的レイシズムって、ほとんど、ちゃんとした形をとったことがなくて、歴史的にはほとんど文化的レイシズムだった。で、その現代編というふうに考えているという事だ。

◆この文化的レイシズムというふうに言われる範疇のものは、これは、社会的には許されない言論だという意見か。
白身は、そういうものも、制限ないし、なくなっていってほしいというふうに思っている。

◆例えば、在特会側の意見、あるいは主権回復側の意見だが先ほど、八木さんの証言を引用して、悪い朝鮮人と良い朝鮮人があるのだという言い方をした。まあ、それは非常に粗雑な言い方で、そういう言い方自体がどうなのかなあというふうにも思うが、彼らが一貫して主張しているように見える、少なくとも、表現上、主張しているのは、日本で暮らすのであれば、日本の法律を守れよっていう、そういう主張なのだよと。で、法に違反しているということを、そのまま放置しておくのはおかしいじゃないかと言う意味で、自分たちは使っているのだという主張だ。そういうのも、やはり、文化的レイシズムということになるのか。
基本的には、あんまり、そのテキストの中身だけでは分からないところがあって、どういう場所で、どういう時に、どういう機会で、誰が誰に対して言うかっていうところで見えてくるものなので、で、その中でも、いい朝鮮人がいる、悪い朝鮮人がいるっていうのは、その物差しを誰が持っている、誰がどういうふうに、いい、悪いを判断するのかっていうところで、これはよかれと思って在日側がやった事が、それは悪い朝鮮人だと言われる可能性もあると。まあ、そういう中で・・。

◆今の私の質問は、法に違反するかどうかっていう基準で・・。

(裁判長)まあ、代理人が質間された内容がレイシズムだと考える人は、多分いないから、代理人が言うような、八木さんの、いい朝鮮人、悪い朝鮮人の、あの話が、代理人が言うように、朝鮮人も日本人も、日本国内にいる以上は日本の法令を遵守して、違法なことは同じように、しない、同じように振る舞おうよという意味であれば、それは、その字句だけを提えれば、特に何の間題もないわけだ。
まあ, 字句だけを提えればですね。

◆そこ、確認できて良かったと思う。
本件は、大分話が違ってくる。

◆だから、その、本件ということになってくるわけで。本件で、在特会側が主張しているのは、違法状態を作っていると。そして、そのことを誰も問題にしないと、それを我々は問題にしたんだっていうことを、白分たちの行為の正当化の第一の理由に挙げている。これは、先ほど申し上げた、一応、法に従うかどうかということを基準にしているということになるが、先生の見解は、本件については違うと。
違う。

◆そこをもうちょっと、詳しく、端的に話してほしい。
まず、厳密に言うと、法律違反だったのかもしれないが、基本的には、関係する当事者間の合意がある中で使用されてきた場所だというふうに、私自身は認識している。

(裁判長)それもね、多分、前提が違うから、そういう前提だったら駄目なのでしょう。答えは。
◆そうですね。

(裁判長)仮に、違法に使っていたというのが本当なら、どうですかっていう質聞のはずだ。その前提でお答え願えるか。
その前提で。例えば、その学校の責任者、あるいは市当局にゆっくり話合いをするぐらいならばレイシズムとは言えないだろうというふうには思う。で、やはり、学校の前に来て、ああやって子供らがいるところで騒ぐと、あの内容で、それと関係ないものを大量に含むようなことを、ほとんど、それを口実に、私から言うと、被告らは、それを口実に、そういう何か、いいネタをつかんで、朝鮮学校を攻撃しているだけに見える。だから、それが主目的、その法的違反っていうことを、何か正すのが主目的には、私にはあんまり見えなかったという事だ。で、そういうのが、レイシズムだろうというふうに考えているという事だ。

◆被告本人(八木)。ちょっと、板垣先生とは、認識が違うところがある。今回、意見書を読ませていただきまして、朝解学校が、今はオープンにしていると。特に、文化祭のときに、入れるよということなのなのだが、実はこれ、在特会が、平成20年、平成21年に、朝鮮大学校に入ろうとして、で、そのときは、ブルーリポンバッジをつけているからということで、排除されたということなんですよ。で、先ほど、Fさんの尋問にもありましたように、その事件が起こるまで、事件が起こるまでっていうか、この予告を出すまでは、朝鮮学校側も、在特会のことを知らないのだということなのに、どうしてそのとき排除されたのか。

(原告代理人異議あり

(裁判長)異議は何。

(原告代理人)適切な質問とは思えない。

(裁判長)証人が一般的に、朝鮮学校がオープンだというのは、恐らく朝鮮大学を除く部分でおっしゃっているんじゃないかと思うが、そうじゃないのですか。
いや, まあ, 必ずしもそうでは。まあ, 朝鮮大学は, 確かに一番入りにくいとこだとは思いますけれども、それだけではなくて学校をやっているときに・・。

(裁判長)全体を、じゃあ、指しているとおっしゃるんなら、朝鮮大学に関しては、いろんなアクセスが制限されたのは、どうお考えですかという質問です。
そういうこともあると思いますし、何を察知して止めたのかは、私にはわかりかねるとしか言いようがないですね。やはり、何かを守ろうとして、入れたらまずいと思って入れなかったと思う。それが、本当にプルーリボンだったのか、何だったのかは、私にはよく分かりません。

◆被告本人(八木)。そのとき言われたのが、ブルーリボンをつけているから、あなたは入れませんよと言われた。

(裁判長)朝鮮大学は、何か、ちょっと、事情が、私は違うと思っているんですけど。普通の教育機関と違うとは思っている。アクセス制限があったのは普通かなあと思っているが、在特会側はね、もっと、普通に入れるもんだという前提で聞いているのか?特に、自分たちが排除されたっていう気持ちで。

◆被告本人(八木)。そうだ。まあ、今、公にされているということなので。

(原告代理人)。裁判長。そこについても動画があるので提出する。あれだと入れてくれないだろうっていう感じで言っていますから。必要だったら出す。けんか腰ですから。

◆(被告代理人)まあ、いずれにしても証人に対する質間としては、ちょっと不適切・・。

(裁判長)最終的には、理由は分かりかねますということか。
はい。

◆被告本人(八木)。あと、質問というよりは素朴な疑問で、韓国系の朝鮮学校ってあるが、そことの交流というか、北朝鮮系の朝鮮学校と韓国系の朝鮮学校とあると思うが、その両者の交流はあるのか。
どうだろう。直接学校間の交流があるのかどうかというのは聞いたことがないので、ないのかなと思うが、実は、経営サイド、理事サイドでの情報交換とか、まあ、個人的な繋がりはある。そういう飲み会の場に行ったことがあり、情報交換はやっていると思う。

◆一点忘れたことがあるので。教育内容のことについて関係する。いわゆる、主体思想との関係だ。現在、随分変わっているのだという証言だが、しかし、いわゆる、金日成金正日の、その、お言葉って言うか、マルクスって言うか、そういったことを、学校で、教育内容として教えているっていうことを、いろんな文献とかで見るが、その辺りは変わったのか。それは今でも事実としてあるのか。
私が、初等学校の教科書を見た限りでは、そういう、よくある金日成いわく、金正日いわくで出てくる、ゴシック体の、ああいうやつか。あれはない。

◆今、私の方から質問したのは、中級、高等、そういったところでは。
そちらは、実はちゃんと見ていないので分からない。あるかもしれない。

◆よく分からないということか。
はい。

◆被告本人(八木)。これ、反対尋問でも分からなかったのだが、在特会の活動っていうのが、許容し難いレイシズムだということとあるが、その基準を教えていただきたい。ちょっと質問が分かりにくくて申し訳ないが、 例えば、その、侮辱の発言だとかが、多かったとか少なかったとか、いや、 一言でもあったら、もうそれは許し難いものだと、そういう、何て言うか、基準と言うか、教えてほしい。
基準がなかなか一言で言えるか分からないが、 ひとつ言うなら、外国から来られた、こういう移民の問題とか、関心のある研究者に、こんなこと、あったのだよというふうにビデオなどを見せると、すぐに、あっ、これねっていうふうに、まあ、ヨーロッパでも、ああいうのは、姿形を変えてある。で、その、ああ、日本版だなというのはすぐに理解する。 意見書の中でも、人種主義、人種差別撤廃委員会のことを少し書いているので、もう、その場でも、ああ、これねっていうふうに、みんな理解したと。で、それは、まあ、内容まで分かっていないかもしれないけれども、その姿とか矛先とかを見れば、すぐに分かってしまうという、そういうレベルだと思う。まずは。明確にこういうことだから、何か、基準があってとかというわけじゃなくて、まあ、見た目でと。今回の件は非常に明確だ。教科書にも載せられそうな、そういう事例だと思う。

◆被告本人(八木)。明確だと思ったその理由だが、どういう言葉が問題だったとか、どういう言葉が多かったとか。
例えば、日本から出ていけとか。それから、キムチ臭いとか、まあ、いろんなのがある。ちょっと今、空で覚えてはいないので、分からないが、 そういう言葉、一連の言葉、それから、それが向けられているその対象だ。ということを含めてっていうことになる。

◆被告本人(八木)。で, 私は、それで、阪神教育闘争といったものを、まあ、ちょっとここで,本件とは関係はないが、ただ、これが非常に破壊的な側面というのがある。で、今の話でいくと、これはもう政治運動を越えているのではないかと。そう感じざるを得ないのだが、その点はどうか。
48年の運動が政治運動を越えているという話か。

◆被告本人(八木)。そうだ。
さあ、どうでしょうか、その点と、私はあんまり関係ないと思うが、正にあれは政治運動だ。ただ、これ、占領軍が非常に過敏に反応する形で、非常事態宣言にまで至って死者まで出てしまったという、まあ、そういう事件だが、その中では単に日本の情勢だけじゃなくて、朝鮮半島情勢と密接に関わって、米軍が動いたっていうのがある。で、そういう中で、本来の状況以上に、かなり、でっかいものになったというのはあると思う。

◆被告本人(八木)。これは、レイシズムっていう言葉では表せないとは思うが、やはり、政治運動を越えたと、そういう認識でいいか。
どっち側か?

◆被告本人(八木)。阪神教育闘争の方だ。
闘争側か?

◆被告本人(八木)。はい。
いや、越えてはいないと。

(裁判長)どっち側だというのは学校側?それとも弾圧側?
弾圧側。

◆被告本人(八木)学校側だ。朝鮮学校側。

(原告代理人)先ほど、明確に証言したが、 政治運動そのものですというふうに。

(裁判長)学校側が一線を越えていたからという質問か。
◆被告本人(八木)。はい。

(裁判長)だから、阪神教育闘争の時の、あのときは、まだ、朝鮮学校っていう言い方かどうか分からないが、朝鮮学校側の教育内容が余りにも過激だったから、弾圧を受けたんじゃないかということ?
◆被告本人(八木)いや、違う。 あの時は日本の文部省、まあ、実際にはGHQだが、閉鎖しなさいという命令が出てきて、それに反発した、きっかけはそうだと思うが。

(裁判長)いや、だから、質問の内容が、ちょっと分かりにくい。

◆被告本人(八木)。まあ、きっかけはそういうことで、で、そういう運動だったら確かに政治運動だとは思う。

(裁判長)政治運動かな?

◆被告本人(八本)。まあ、政治運動と、要するに、自分たちの権利を守るためのデモ行進をやるだとか。

(裁判長)ああ、それは学校側か。

◆被告本人(八木)。学校側が、はい。

(裁判長)反発がね。

◆被告本人(八木)。そうそう。それで終わるんだったらいいが、結局、その当時、神戸の知事室に入り込んでいって、で、非常に乱暴なことをしたと。あるいは、先生の意見書の方にも出ていると思うが、京都でも、やはり市長室に入ってバリケードを張ったと、そういう歴史があると思うが、さすがにそこまでやったら政治運動を越えているんじゃないかと思うが。
ああ、そうですか。私はそういうのが政治運動だと思うが。

(裁判長)それで、仮にそういうことがあって、何を聞きたいのか。

◆被告本人(八木)。ああ、それで、結局、私たちのやっていること、在特会のやっていることを、私は、一応、政治運動だと、そのつもりでやっている。

(裁判長)だから、在特会が、今回行った行動は阪神教育闘争のときの、朝鮮学校側が日本の行政にやった行動と大して変わらないじゃないかっていう?
◆被告本人(八木)。大して変わらないって、もうちょっと柔らかいが。

(裁判長)まあ、同等のものと見られるということを質問しているのか。
◆被告本人(八木)。はい。

(裁判長)やっと分かった。それで, 今の質問だとどうか。
基本的には相当違うとは思うが、それをどう言語化したらいいか、なかなか、時間が掛かりそうだ。

(裁判長)まあ、同等のものかっていう・・。
まあ、あのときは占領軍と、それから日本政府だ。それが対抗相手というか、その措置を変えてほしいという運動であり、そういう意味では、国家権力、国家機構、暴力機構というのが背景にあり、対象に対する政治連動だ。で、在特会の今回の動きというのは、そういうのとは、まず、かなり、対象が全然違っていると思う。それから、向けられている矛先が子供らだったりするというところでも相当違うというところで、かなり質的な違いがあると思う。

◆被告本人(八木)。私たちは、別に、子供を対象にしてやったわけではない。飽くまで対象は学校だ。

◆原告代理人。異議。

(裁判長)それはあなたの御主張だから。質問としてはこれで終わりということか。
◆被告本人(八木)はい。 あと、レイシズムというのが、結局、過剰な反応だと、過剰な
一般化だということをおっしゃいましたけども、結局、これって今回の朝鮮学校のオモニ会、アポジ会の方の反応ですよね、これも結局は過剰な反応ということにならないか。

(裁判長)どんな反応のことを指しているのか。
◆被告本人(八木)。つまり、在特会に対する警備だ。

(裁判長)警備?
◆被告本人(八木)。はい。

(裁判長)過剰な反応かっていう、単なる質問だと理解をしたら・・。
いや, 非常に具体的な組識、団体に、1回攻撃されているわけだから、そういう人たちから防衛をするのは、ちっとも過剰な一般化ではないと思う。


(裁判長)適切な反対尋間ではないから、制限します。



◆最後に一つ、文化的レイシズムに関する質問だ。現在、いわゆる高校無償化手続から、朝鮮学校は外されている。で、そういう動き、補助金との関係でも、そういう補助金を打ち切るということを表明した団体が幾つか続いているということは御承知だと思う。で、そのときの理由、例えば政府の理由は、朝鮮学校が、北朝鮮の体制を支えるための対日工作機関の疑いがあるということを言っているが、こういうことを理由に、別の扱いをするということについては、これも文化的レイシズムに当たるのか。
私は、そういう事例になっていると思う。その認識とは、実は、私、論文の中で、自民党から出ている、政府自民党の文言だと思うが、自民党は、野党時代、2010年にその文言を、既に、声明に出している。で、その中身が、在特会の主張と実は変わらないという問題を指摘したことがある。 つまり、校門の前で工作機関だと言った。言い方はひどいけれども薄めると、自民党と同じだと。で、そのことが、より間題を深刻にさせているという脈絡の中で、つまり、一部のレイシスト集団と言われるような人たちがやっているだけじゃなくて、もう少し構造的に排除がなされていることが、より、話としては深刻だという事例で、実は、その文言を引いたことがあって、それ、歴史を遡ると、もう1960年代くらいから、自民党の中でそういう認識というのは、ずっと報告書やら何やらで、積み重ねられてきて、その源泉には、公安調査庁とか警察の外事の調査がありというような、その中で出てきていることだと思う。だから、そういう意味で非常に何か、政府だから客観的な論評というふうには思えない内容を含んだ、そういう話だと思う。

◆そのことに関係してだが、時と場所、で、やり方、このことは、本件、ちょっと置いておきましょう。で、先生が今言われたように、中身としては、政府が言っていることと同じじゃないか。あるいは、同一の構造を持った言説ではないかという指摘か。
はい。

◆これは、一つの意見として、表現の自由として尊重する余地はないのか。
まあ、実際、もう表現していると思うが、これが、じゃあ、レイシズムかどうかって言われると、私はレイシズムだと思っているし、人種差別撤廃委員会に、この議論、この後、持っていくと思うが、明確に、これは問題だ、是正せよっていう話になると思う。

◆というのが先生の御意見か。
はい。既に法案の段階で、そういう一部の政治家が言っているだけで問題だっていう話になっていましたので、それを政府が掲げたということになると、改めて指摘されることになると思う。

◆よく分からないが、それは一つの意見ではないのか。
意見だ。意見であり、レイシズムを含む意見だというふうになる。で、それを、別に全て、あらゆる人が言ってはならないとかというふうには言わないが、そういう意見だということになる。




裁判長尋問


(裁判長)民族教育というのが、一つ、我々日本の中で住んでいるから、分かりにくいが、今、在外日本人のための、民族教育をする日本人学校っていうのは海外にあるのか。もしあったら何か教えてほしい。
そういう民族教育という、その表現を使っていたかどうか、ちょっと定かではないが日本人学校という形である。

(裁判長)あれは日本に帰ってくることを前提にして教育している私学だと思うが、何か、似たような、今回の朝鮮学校と同じような、こんなのも海外にはありますっという例が幾つか、もしあれば紹介していただければもっとこう、すとんと理解ができるのかなと思うが。
そこは、割に課題なのだが、私の課題だが、まあ、よく事例として出るのは、ムスリム学校と言われるものがある。で、他はどうか。中国になってくると、今度は少数民族の学校になってくるので、外国人学校というのとはまた違ってきたりして。また、これ、比較はできなくなってくる。なので、ちょっと、あると思いながら、まだ調べられていないと。

(裁判長)まあ、同じようなものとしては、ムスリム学校というのが、一番、キリスト教国の中のイスラム学校・・。
よく出てくるものですが、それも実は、実態はよく分からない。で、朝鮮学校ほど、実は、幼稚園から大学まで制度があるっていうこと自体、世界的には結構珍しいことだと思っています。




終了。
(次回、まとめに続く)