第15回口頭弁論傍聴記  1 


初冬を思わせる気温の11月14日、朝鮮学校嫌がらせ裁判にいってまいりました。
今回は、在特会会長桜井氏が出廷するという事で、支援者以外にも在特会側が動員をかけており、さらにライター関係、ヲチャ、野次馬と普段よりも倍率きついだろうなと予想していたら案の定確率半分以下の狭き門で、さすがにこれはあかんだろうと覚悟していましたが、当り前のように当たり。
いや、本当は最近、いろいろ忙しくなってきており、裁判記録も負担になり、挫折しそうな少しの気もあったのですが、もうね、あれですよ。こりゃ書けよという神様のおぼしめしですな。いや、ま、勝手にそう思っているだけですが・・。(多分、その神様というのはスパゲッティでできているあれだと思う)
http://goo.gl/PqLRp




さて、今回、とても出廷を望んでいなかった桜井氏が何故出廷になったのかを考えるに、一つは原告弁護団の裁判所への働きかけと「ネットと愛国」の効果により導き出された、裁判長の積極的な姿勢が考えられる。さらに、被告代理人たる徳永弁護士がどのような説得をしたかは定かではないが、出廷拒否による影響を鑑みたものであると思われる。
しかしだ。それでも桜井氏本人の決断としても、結果としてよく出てきたものだと一定の評価は与えていいものとも筆者は思う。ただし、他の被告らは駄々をこねずにみんな出廷しているという現実はあるけどね。

そして、まとめで書くが、その出廷がこの裁判を有利に導くとはとても思えない事も先に述べておく。


傍聴席に座ると、被告人席の前席には、被告代理人と八木氏。後席に桜井氏、西村斉が座っていた。緊張のせいかどうかわからないが西村斉氏の顔が赤らんで見える。
そして何時もと違いうのは、在特会側の用意された席が(14名だったそうだ)うまっていた。
裁判がはじまると何時ものように、提出された書面類の確認が行われ、その流れで被告人尋問がはじまった。まずは桜井氏から。
なお、今までの傍聴記で書き忘れていたが、以下の尋問問答は、現実にはですますとなっているのを改変している。そして言うまでもなく、高田氏とは桜井氏の事である。







裁判長が「高田さん」と促し証言台へ。小さな声で「はい」。

(裁判長:貴方が高田さん?)
高田:はい


裁判長より宣誓の意味と、権利能力なき社団として争われているため責任者として召喚された事が告げられる。
宣誓後、尋問が始まる。



以下、被告側代理人より
高田氏の陳述書の確認など。

◆間違いありませんね。訂正とかあるか。
はい。ありません。

◆桜井という名で活動しておられるそうなので、この後、桜井さんとしてお尋ねします。
はい。

在特会の会長ですね。在特会の代表としてお聞きしてよろしいか。
はい。

◆会員なるために入会料とかありますか。
ありません。

在特会の本部運営というのは誰が何処でやっているのかお聞きしていいですか。
基本的には東京の本部でやっています。運営しているのは私と八木氏、あと広報の担当者です。

在特会には地方支部がありますね。支部長選任は誰がやっているのか。
基本的には各地区担当の副会長が。

在特会の会員数は現在何名くらいか。
1万2千3百人くらいだったと思います。

◆一人ひとりの会員と面識をもっているのか。
物理的に無理。

◆活動に指示したり指揮したりした事はあるか。
基本的には各支部にまかせているが、どうしても大きなときには私が出す場合もある。

◆大きなときとはどういう時のときか。
つい先ほど、大阪市役所の「あほ」の違法テントへの抗議を呼びかけた。

◆法廷なので「あほ」は控えてください。
はい。では「頭の悪い人」という事で。

◆具体的に参加していない場合でも、支持を表明したりした事がありますね。それは何のために表明するのか。
はい。会の趣旨にそったものはする。

在特会の財政はどうやって賄われているのか。
各個人からの寄付に頼っている。

◆地方の活動に費用を出す事はあるのか。
何か月に一度、係った経費については本部から支給している。

◆かかった経費とは。
デモ申請、道路使用許可、横断幕など

◆参加した人たちの人件費とかは
一切ありません。

在特会の規約を見ると除名処分というのがあるがこれはどういう時に出されるのか。
著しく会の名誉を傷つけた場合。

◆除名処分の決定は誰が行うのか。
私です。

在特会をはじめたきっかけは。
「歴史通11月号」にかかれたとおり。
(陳述書より要約は:高田氏はテレビニューズで「在日無年金訴訟」のことを報道で、在日韓国人が「年金保険料を1円も払ってないのに、自分たちが年金に入れなかったのは日本政府に差別的な政策によるものである」と主張していた。それを見て1円も払わないで差別を持ち出し無理を通そうとするそれに怒りを感じ在特会を始めたとの事)

◆何故怒ったのか。
1円も払わずに寄越せ。怒って当り前だと思う。

◆それで在特会を発足したのが平成19年1月でいいか。
はい。

在日特権とは何の事か。(陳述書では)広くは在日韓国朝鮮人が「差別」をいいがかりにして獲得し、また、獲得しようとしている不当な特権のことを指すとあるが、これで間違いないか。
間違いない。

◆実際このようなこのような事実は存在するのか。
様々な問題があるが、伊賀市桑名市四日市市などで在日への減税があった。ただ、一番問題にしているのは入管特例法だ。

◆それは何故か。
入管特例法によると在日韓国人は子々孫々、外国籍のまま日本にいていい事になる。このような特権を認められているのは基本的には在日韓国朝鮮人しかいないと。入管特例法22条にも記されているように犯罪を起こせば国外退去できるにもかかわらず、この入管特例法の成立以降、誰一人として国外退去になっていない。これにつきると思う。

◆その特権が何故問題にされなければならないかという疑問があるが、簡単に答えてほしい。
在日韓国人朝鮮人以外は万引き一つで国外退去になった例がある。しかし在日韓国人朝鮮人であるという理由で、強姦、強盗、殺人、何をやっても一度も退去されなかった。これにつきる。

◆貴方は、在日特権は社会的存在する背景として、在日韓国朝鮮人を日本の侵略と差別による可哀相な被害者という誤った歴史認識があると(陳述書に)書いているが、これはどういう事か。
基本的に、強制連行されてきたと在日朝鮮人は言い張るけども、そのような事実はない。ここです。

◆貴方は書籍を出していますね。(「反日韓国人撃退マニュアル」示しながら)
はい。

◆こういう書物を出した目的はなんでしょうか。
この本が出る、少なくとも10年前は、在日朝鮮人問題はタブー視されていて、本の出版はほとんど出ていなかった。そして実際、在日朝鮮人の問題だけではなく真実をできる限り広げていこうという事で、この書籍を出した。

◆事実関係を評価してきたのか。
はい。

在特会には7つの約束という綱領があるのか。
はい。
(参照:在特会HPより「7つの約束」
http://www.zaitokukai.info/modules/about/zai/promises.html )

◆例えば1番目の「在日による差別を振りかざしての特権要求を在特会は断じて許しません」など、これを公表しているのはどういう理由か。
在特会として在日問題に取り組んでいくという決意を表したものだ。

◆本件で問題になっている12月4日に行われた抗議活動、これに桜井さんは参加してないのか。
してない。

◆この抗議活動、事前に指示をだしたり指揮をしたりしたのか。
いいえ。

◆この抗議活動を知ったのは事後的だったのか。
そうです。

◆事後的に知った後で、ネット等で知った後で支援を表明している。それは何故か。
どう考えても朝鮮学校のほうが悪いので。

朝鮮学校が悪いとは。
公園を不法占拠、しかも日本の子供たちが遊ぶための公園を不法占拠したのが悪くないならば、この国は法治国家ではない。

◆陳述書には「私たちが指弾してきた「在日特権」の縮図のような事件でした」とある。これはどういう事か。
先ほどもいったように、今回の事件はあまりにも単純明快な事件と思う。差別うんぬんという人もいるようだが、この事件で一番問題は日本の子供たちの権利が侵害されて、そして都市公園法で有罪判決をくらっている人がいるようだ。彼ら自身が犯罪行為を認めている。この近所で多くの人が市役所、或いは警察に訴えて、それでもどうにもならないから在特会に助けてほしいと。公園が不法占拠されて子供たちが遊べないと。これは日本において、朝鮮人たちがやりたい放題やってきた証拠である。だから我々はそれを是正させるために抗議にいった。これ自体、私は何も悪いと思ってない。

◆先ほどの7つの約束の7番目である「不逞在日の犯罪行為に苦しむ各地の実態を知らしめ、その救済を在特会は目指す」に従ったという事か。
約束どおり実行しただけだ。

◆1月14日と3月28日の街宣活動だが、この街宣活動に在特会は関与しているのか。
協賛として名前が入っているはずだが、それ以外は主体としてやっていない。

◆この両日に貴方は参加してないのか。
はい。

◆この両方に、副会長の八木さんが参加しているが、それでも在特会は直接関係ないという事か。
協賛に名前が出ているし、関係がないというものではないが・・。

◆ないが・・?
それ以上、言いようがない。

◆3月28日の街宣活動の前には事前に仮処分が出ていたが、この事は事前に知っていたか。
知らない。

◆証拠として提出されている「ネットと愛国」は読んだか。
一読した。

◆その中に、桜井さんの生い立ちやプライベートの記述があるが、この記述は事実か。
事実でないとこもかなりある。

◆この本の著者から、貴方は直接取材を受けたか。
大分県で一度あったが、それ以降は一切ない。

◆陳述書でいろいろ言っているが、ここで「レイシズムの発露」というものが批判されている。これについてどのように考えているのか。
バカな主張だと思っている。

◆表現に気をつけてください。
頭のいかれた主張だと思っている。

◆何故か。
なんでもかんでも差別と言えば、どんな犯罪も許されると思っている。

◆(陳述書より)「朝鮮総連という暗黒の独裁国家北朝鮮と繋がる権力機構の「悪」についての言及が敢えて控えられているとこに著者の処世術が見え隠れしています」これはどういう事か。
朝鮮学校北朝鮮の関係、朝鮮学校側は関係ないと言っているが、実際、教室に「金日成金正日」の肖像画が掲げられている。二人合わせて300万人の自国民を虐殺したとんでもない虐殺魔の肖像を掲げる、或いは朝鮮学校の「ウリハッキョをつづる会」というのがあるが、そこで出版された「朝鮮学校ってどんなとこ?」という本があるが、北朝鮮から教育援助金を受けていると、はっきり書いてある。自分たちでそう言っておきながら北朝鮮と関係がないわけがない。なによりも北朝鮮によって或いは拉致された人たちが権利を侵害されている。本来ならその著書についてだが、本来取り上げるなら北朝鮮の人権問題、北朝鮮に支配される朝鮮学校の問題を取り上げるべきだと私は思っている。

(筆者注:高田氏が何を勘違いをしているのかは知らないが、原告側はこの裁判において、ただの一度も朝鮮学校朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)と関係がないなどと表明した事はない。また、社会的にも朝鮮学校が共和国との関係を否定したという話は一切聞いた事がない)

◆いま、貴方がいった基本的な動機が取り上げていない。それが問題だと考えているのか。
ただ単に在特会が憎い、或いは私が憎いという憎悪の感情だけで書いた本だと思う。


以上、被告側よりの主尋問終了。続いて、以下は原告側による反対尋問にうつる。


在特会の組織について質問する。まず、在特会の収入について幾らぐらいなのか。
年によって変わるので一概には言えない。

◆ここ2、3年で幾らぐらいなのか。
平均を出した事がないのでわからない。

◆最大額は。
1千何百万くらい。

◆各支部に支給している額は。
手元に資料がないのでわからない。トータルで?恐らく100、200万くらい。

◆全国に支部はいくつか
2、30支部

◆全体として100、200万くらいか。
全体だ。

◆備品代という事ならば、それは会のものか。
基本的にはそうなる。

在特会の東京の事務所だが
これ、何のための質問か。裁判長お願いします。

(裁判長:在特会が裁判の当事者になりえるかを争っており、権利能力なき社団として、どの程度ものかを裁判所で把握しなければならない。それの確認だ。)
はい。

◆本部は賃貸か。
賃貸だ。

◆名義は。
私の名前だ。

◆家賃は。
8万円。広さは6畳ない。

◆自動車、不動産はあるか。
ほしいが、ない。

◆雇っている人は。
いない。

◆備品は何処においているのか。
基本的には事務所だ。

◆各支部もか。
支部長が自宅においたりしている。

◆備品をもちいる時に許可はないのか。
ない。

在特会の趣旨に反するものでの使用は駄目という事か。
今までそういうのがなかったので仮定の話には答えられない。

◆仮定の話しでも答えていただきたい。
仮定の話に答える必要があるのか。

(裁判長:使用目的のために聞いている)
仮定の話なのでわからない。

在特会は貴方の存在が大きい。貴方が病気になったら会は存立しているのか。
その場合は、八木さんが筆頭副会長なので彼が指揮をとる。

在特会のHPは誰が管理者で運営しているのか。
副会長か広報担当が管理している。

◆貴方は?
基本的にまかせている。あれこれしない。

◆貴方はHPをどれくらいの頻度で確認するのか。
一日、一回以上は見ている。

在特会の連絡体制についてだが、会員には基本的にはHPで告知するのか。
それしか方法がない。

◆会員はHPを見る事が期待されると。
見る見ないは自由だ。

◆注意喚起だとか、これはやめてという事はHPで行うと。
何を言っているのかわからないが、そういう事はやった事がない。

◆各地域で街宣活動をやっているが、貴方はそれをどのように把握しているのか。
公式サイトで確認する。

◆それは事前に確認するのか。
基本的にそうだ。

◆事前告知がなくて後から知る事もあるか。
何回かそういうのがあった。

◆それは何時くらいにわかる。
何もなければ、一日二日でわかる。

◆12月4日の事は、貴方は12月10日にブログで書いている。
そこまでは覚えてないが。
(証拠物を示される)
間違いないと思う。

◆ブログは10日だが、知ったのは何時か。
記憶は定かではないが、4日以降だ。

◆その日か翌日には評判になっていて、その時という事はないか。
評判かどうかわからないが、不法行為に抗議してそれが伝わったのは2日後くらいだったと思う。その辺りで知ったと思う。

◆街宣をやった人らからの報告はあったか。
あったとは思うが、記憶が定かではない。何年も前の話し言われて答えられるわけがない。

◆声明を書く上で、本人(12月4日の参加者ら)たちとは確認しているか。
当然している。

◆街宣行為に賛同している。
はい。

◆(高田氏のブログ:証拠物を示しながら)「だからこそ私たち国民は責任を持って、朝鮮人によるこれ以上の犯罪行為や反日行為を絶対に許さないことを彼らに身をもって分からせる必要があるのです。朝鮮総連が自らの犯罪行為を反省し改めることなく在特会への誹謗中傷を続けるのであれば、必ず自らの言動を深く後悔する日が来るでしょう」
(参照:12月10日 朝鮮総連の断末魔
http://ameblo.jp/doronpa01/entry-10407817955.html

◆これを書いたのは貴方ですか。
はい。

在特会に誹謗中傷とは何の事か。
そのとおりだとしか答えられない。今、現在でも、貴方方の書面を見たが、人の事をなんと思っているか知らないが、あれは誹謗中傷ではないか。

◆どういった表現か。
ゴロツキ扱いしている。

◆具体的に。
朝鮮学校への抗議。これを差別だ、差別だと言ってたてる事自体、誹謗だと思っている。子供をダシにつかって、犯罪行為を隠そうとするとんでもない行為だと思う。裁判長、これ、私の意見を聞いているが、真実を確かめるというのが本来の尋問ではないのか。

(被告弁護人:会の解釈みたいな事を聞かれている)
何年もたっているとこで、会の意見と言われても困る
(裁判長:会の運営方針として、貴方の考えを聞いている。差し止め訴訟の内容として考え方がどうかを確かめる必要がある)
ストレートに聞いてほしい。


(次回に続く)








本日のグルメレポート

大阪は京橋の「焼肉の松井」。そんなに安くはないが、肉と冷麺はなかなかのもの。特に韓国冷麺はなかなかこれはうまいと言える店がないが、ここは食べたうちの三本の指にはいる。もうね、金があればここでウンマーですよ。あと、お客でお水系とおっさんの組み合わせが多いという昭和の焼肉屋の雰囲気・・。