第14回口頭弁論傍聴記 1 

何時かはこういう走りがしたい。
http://www.youtube.com/watch?v=ZGXZOrEV7_c
そんな私の傍聴記です。






裁判冒頭、提出書面及び証拠物の確認をする何時もの風景があったのだが、それら証書の確認最後に、原告弁護団より、次回の尋問予定である高田誠氏に対する出廷の確実な予定があるのかを、被告側徳永弁護士に求めた。
それに対して被告側弁護士は、「現在のとこ説得をしているが、なかなか難しい状況にはあります」との返答があった。
これを受けて裁判長が、呼び出す必要があると指摘、徳永弁護士も同意した。
その上で、仮に出廷しないならば民事訴訟法208条の適用を示唆した。

民事訴訟法208条の適用は、本来、反対意見として聞くべきものを被告が放棄したものとみなし裁判所の判断に委ねられる事となるのだが、常日頃、どのような場においても公開討論を行うと公言していたのが自称桜井誠氏だったはずだ。
ところが、この後に記す八木氏の尋問において出された原告資料の出廷拒否の理由が、「(朝鮮学校の)元校長が出廷しないから自分は出ない」という呆れるものだった。
自称桜井誠氏の、この理解しがたい理由が裁判所に受け入れられるものではない事を被告側弁護士は彼に言い含めるべきだ。何故ならこの裁判は、朝鮮学校嫌がらせ事件を起こした責任を問われているもので元校長が問われているのではない。当然ながら立場は決して互角のものではなくこれは筋違いと言える。この点被告側弁護士も重々承知のようで、元校長については、今回裁判まで召喚を求めた記録はない。これも後に記すが、今回述べたのは自称桜井誠氏への「説得」ために原告側に「お願い」したのが初めてある。

自称桜井誠氏がいくら駄々をこねようと、事件を引き起こした団体の長としての責任を免れるものではない。そのためにも出廷し、自らの信条において堂々と審判に応じ、常日頃、自らの言動が大言壮語でない事を証明すべきではないか。それがなければ当たり前のように「都合が悪くなれば逃げる卑怯者」としての誹りは免れないだろう。そして反対意見を述べる場を放棄する事で、原告側の主張を大いに後押しする「利敵行為」に加担しているのだ。それを自覚しようがしまいが判決に反映される現実を直視せざるえない時は確実に来る。それを少しは想像したほうがいい。
今回、裁判長は出廷しないなら「心証に影響あるのは間違いない」と断言した。


さらに、苦笑をこぼしながら、西村斉氏の現状について被告弁護人より説明をしていたが、ロート強要事件により、保釈も認められるかどうかもわからない、さらに自称桜井氏の出廷も確実ではない被告らを抱えて、もう笑うしかないと言ったところか。(後日、保釈された)



今回は、裁判冒頭、自称桜井誠氏の召喚を巡って、いきなりヒートアップな展開であった。続けて被告人尋問に流れていくのだが、まず解説を。
前回裁判において、この日は、本来、在特会副会長である八木氏と同じく事件主犯格である川東氏の尋問で、次回裁判で自称桜井誠氏と西村修平氏の反対尋問が予定されていた。
ところが、被告側弁護士から前回後に上申書が提出されており、そこには西村斉氏の出廷予定について書かれているのと、裁判の尋問予定として、自称桜井誠氏と西村修平氏を同日にしないでほしいとの要望があり、その理由として

「原告も周知のことと思われるが、現在、被告在特会は、被告西村修平と路線対立を巡る激しい応酬を繰り広げており、両者ともに、11月14日、一緒に本人尋問を行う事に反発しており、期日の円滑な運営の観点からも、被告西村修平の反対尋問は9月26日に実地すべきと考える次第である」

と述べられており、これが裁判所、原告側から受け入れられ、この日は、西村修平氏、八木氏への本人尋問と相成った。



まず、前回、時間切れで原告側からの反対尋問ができなかった西村修平氏に対する尋問からなのだが、今回、西村修平氏の陳述書の補足が出されており、その確認がされた。
その陳述書については西村修平氏が以下にUPしていた。

「逃げるな!高田(桜井)誠は証人尋問から」
http://nipponism.net/wordpress/?p=18384

まあ、自称桜井誠氏と「路線対立」も勝手にやればいいけど、上記で、西村修平氏は、自らのヘイトを特定の民族に及ぼすものではないなどと一生懸命言い訳をしているが、いったい何処の誰がこの都合のいい峻別を理解できるのだろう。「悔しい悔しい朝鮮人」などと彼がデモで発したヘイト以外の何物でもないものを、裁判所が理解をしめしてくれるとはとても思えない。ましてや陳述書の最後にある「不逞鮮人」に対するいい抜けが「我が国の伝統や秩序に公然と挑戦して破壊せんとするものに対する言葉(政治運動用語)としては社会的に許容されうると考えている」なる言い分で自らのヘイトの正当化を図るその鈍さに呆れかえる。
これは「自分(日本人)たちに逆らうものは侮蔑」するというヘイトそのものの発言であるという認識が欠片もない事を物語っている。この文言は関東大震災朝鮮人虐殺を行った時にも使われていたし、朝鮮において植民地支配からの独立を目指した人々にも投げかけられた明らかな蔑称である。さらに言えば「不逞日人」と西村修平氏が呼ばれたら、彼は運動用語だからと許容するのか?
この文言は明らかなヘイトだ。




以下、法廷メモより西村修平氏に対する反対尋問箇条書き。


◆主尋問で主権回復を目指す会(以下、主権)の入会金を払った人はいないといっていたが主権の活動費は?
私のポケットマネーで。

◆?働いてもなく収入もなく、ポケットマネー?
カンパです。

◆主権名義の口座でカンパを集めている?
そうです。

◆主権のHPの運営は誰?
基本的に私です。文書は私が書いています。


掲示板で事務局となっているのは?
私です。

◆声明文などは貴方が書いたと思っていいのか。
そうです。

◆増木氏が主権関西を名乗っていたが?
私が関西支部と認めたものではございません。

◆認めたものではない?
そこはあいまいです。

◆主権関西で、中谷氏が支部長、荒巻氏が事務局長に任命しましたか。
はい。

◆主権の本部は?
私です。

◆(12月4日事件の時)主権の幟がでていますね。
知りません。

◆1月14日に同じ幟がでていますね。同じ幟ですね。
12月は知らなかった。1月は知っていた。

◆中谷さんは、西村修平さんから(幟を)あずかっていたと言っていますが?
4本あって、2本が行方不明になっていた。

◆中谷さんが使ってもいいと言ったのですか。
はい。

◆関西支部設立以降、関西での対応を中谷さんがするように指示したか。
はい。

◆事務局長荒巻さん、幹事の西村斉さんに中谷さんのサポートを支持しましたか。
はい。指示しました。

◆あなたは、関西支部ができる前にも、関西でも活動した事がありますよね。
具体的には?

◆平成21年6月13日に、主権が外国人参政権断固反対デモをやっていますね。
はい。

西村修平氏の支持で動くと認めていたが。
認めます。

◆(証拠写真を示し)これは桜井誠さんですよね。
はい。

◆「ネットと愛国」を読むとですね、平成19年頃から一緒に活動をやっていると書いていますが、これは事実ですか。
間違いありません。

◆現在は一緒に行動する事はありますか。
ありません。

◆それは何故ですか。
運動に対する考え方の違いが生じてきているから、活動はともにしてない。

◆関西における「行動する運動」を中谷さんがやるという指示を出したのは間違いありませんか。
はい。

◆12月4日の件は、後から知ったと言われていますが、そうですか。
はい。

◆複数のメールで知ったとしますが、どのような方らなのですか。
プライベートの事なので、お話できません。

◆主権の活動に関わっている方ですか。
いや、様々な方です。

◆複数とはどれくらいか。
3,4人です。

◆関西で動きがあれば知らせてくれるのか。
若干のタイムラグはあるが、基本的に教えてくれる。

◆12月4日の件は何時知りましたか。
いま、記憶が定かじゃない。2,3日くらいたってから。

◆12月4日の件でマスコミに批判活動をおこないましたね。在特会の方らと一緒に東京新聞に抗議行動をしましたね。
はい。

◆桜井さんも一緒ですね。
はい。

◆(主権の)HPでも書かれていますが、中谷さんらのやったのは「愛国運動」なのですね。
その愛国運動のレベルについては答えられないが、抗議したのは彼らが主張した内容がまったく報道されなかったから。

◆でも、中谷さん、荒巻さん、西村斉さんが抗議活動をやったという事で争いはないんですよね
争いません。

◆京都弁護士会にも抗議活動していますね。
はい。

◆京都弁護士会への抗議活動も行動する運動の一環ですか。
そうです。

◆この時、弁護士会館に入りましたね。
はい。

◆担当弁護士から入らない下さいと言われていますよね。建物から出て行ってください。不退去罪になりますよと言われていますね。貴方出ていきませんでしたね。
はい。

◆さらに抗議活動していますね。
これは抗議活動ではなく、要請状をもってきたので受け取って頂きたいという事です。

弁護士会館から出た後に、弁護士会長の自宅に行くといわれていますね。
言っています。

◆1月14日は主権の主催でよろしかったですね。
はい。

在特会に呼びかけたでよろしいですか。
はい。

◆3月28日も主権の主催でいいですね。
はい。

在特会にも呼びかけた。
在特会ではなく不特定多数に呼びかけた。

◆はい、その中に在特会も入っていますよね。
はい。

◆3月28日のデモ前に裁判所の仮処分について中谷さんから知らされていますね。
中谷君か、他の誰かにネットでこういうのがあるという記憶がある。

◆それは3月28日前で当日ではないですよね。
はい。

◆仮処分が出ている事を知り、新聞記事とか調べていないですか。
記事は見たが、誰に出された仮処分の内容か知りようがなかった。

◆(仮処分が出た事で)デモを中止しようという気はなかったか。
思いませんでした。

◆貴方が現場指揮するデモで仮処分が出ているという情報はかなり重要な情報だと思うのですが。それでも何の検討もしなかったのですか。
内容を知りませんでしたから。

◆内容は知らなくても新聞報道でタイトルが街頭宣伝を禁止するとあり、その認識はなかったのですか。
そのタイトルは知っていますが、内容について知りませんでした。

◆では、街頭宣伝を禁止するという事は知っていたのですか。
それは知っている。

(ここで裁判長より、そこは知っているという事で、もうよろしいかというニュアンスの発言あり)

◆川東さんのmixの日記で仮処分が出た時の事が書いてあります。「200m以内の街宣禁止と出ているが、斉さんは相手が来ないでくれというのは勝ち。だからいかんでいいと言い、200mに近づかない案を検討していたが、主権の○○が朝鮮学校に行かない事には意味がないと強硬に決めた」とある。貴方は仮処分が出ていたとしてもあくまで朝鮮学校にいかなければいけないと考えていたのですか。
いや、○○と書いてあるが、西村修平と書いてないからわかりません。主権の○○って誰かわかない。

◆でも貴方は現場指揮をしていたわけですよね。事前の打ち合わせもしていた訳ですよね。
はい。

◆3月28日以降、中谷さんが逮捕されましたが、刑事事件の費用を貴方に工面してもらったと言っていますが、そうですか。
間違いありません。

◆一緒に逮捕された、荒巻さん、西村斉さん、川東さんの費用は貴方は工面していないのですか。
していません。

◆誰が工面したかご存知ですか。
それは在特会の方らがしたのですはないですか。

◆「ネットと愛国」でSさんという方が裁判費用のために1000万円カンパしたと書かれているが、この件で貴方はSさんから直接事情を聞いていますよね。
聞きました。

◆主権のHPで「ネットと愛国」のこの部分を補足する内容を貴方書いていますね。
はい。

◆ここでSさんのメールを公開していますよね。
はい。

◆1000万円を桜井さんに手渡した事実をSさんから確認していますよね。
そうです。

◆Sさんはネコババされたと言っているようですが、Sさんは在特会に寄付されたのではないですか。
Sさんは事件に関わった裁判費用として出したという事は確認しています。

在特会にあげたわけではないと。
私はそのように聞いています。

ここで被告代理人◆より、主尋問とどういう関わりがあるのかわからないとの異議。
原告側◆これは被告らの共同性についてだと述べる
裁判長◆、この1000万は在特会ものか裁判のものか。貴方の認識は?

私は、在特会ではなく拘留されている人らの全ての裁判費用であるという認識です。

◆現実は、中谷さんは貴方が工面したが(裁判となる)他には充てられたのですか。
それは、私は確認していない。

◆今後も、貴方は行動する運動の活動はしていくつもりなのですか。
ええ、続けていく意思があります。





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