第13回口頭弁論傍聴記 2 


続いて西村修平氏が証言台に入った。

陳述書から主権回復を目指す会の政治理念を確認、その後組織実態について証言。
以下、法廷メモより西村修平氏証言箇条書き。


◆主権の組織について
関西との関係は拉致問題で知り合った人らと話して関西支部発足。他に支部は関西以外ない、過去にもない。
◆事務所場所は。
事務員はいない、一人だ。支部と本部の関係はアバウトで名前を貸して運動してもらっていた、そのための弊害については責任を感じている。資金援助した事はない。
主権ののぼりは本部でつくったいくつかを関西に置き忘れたものを関西の方たちがつかっていた。

(筆者:置き忘れたって・・・。)

◆組織について 
会員制はとっていない。入会金を払った入った人はいない。
◆チーム関西について
チーム関西については詳細を知らない。 
チーム関西の活動は知っていた。
チーム関西に指示は出していない、何故なら指導者がいなかったから これは問題だと思っていた。
◆解散について
関西は解散になった、3月28日の後、中谷を解任した。
3月28日のカウンターデモについては、道路上に飛び出すなど許されない行為を独断で行ったことは到底社会運動といえない。徳島についても刑事事件になるだろうと、これでは世間に訴える道理が成り立たないだろうと。若い人らに警告を与える意味でも除名処分とした。
カウンターデモは関知していない。
在特会、チーム関西の今の関係について
今、在特会、チーム関西との関係は政治運動としては一線の距離を置いて、独りよがりの運動で社会から顰蹙を買っている、生活基盤ももたないなど苦言を呈している。
苦言は、ほとんど聞き入れられる事はありませんでした。
12月4日については後でしった
これは非常によろしくない、日中、学校がやっているところですね、突然怒鳴り込んできて、これはどういう事なんだと。これは必ず事件になる。
手法が問題というのは、道理は正しいが手法が誤っている。
マスコミの取り上げ方は、朝鮮学校の不法占拠は隠ぺいされたままで、抗議にきた人が弱いものいじめにしたとか民族差別だと問題が隠ぺいされたと憤りを感じていた。
マスコミにも抗議街宣をかけたですね、国民の共有財産が特定の団体に不法占拠されていることが隠ぺいされているという事でやった。
問題がすり替えられていると。
で、自身が街宣をやろうという事になった。

(筆者:ここらがよくわからない。12月4日の事件を批判しながら、後のデモ指揮で同じような事をしている)

◆1月14日デモへの関与は
間違いない。指揮しました。1月14日に訴状に載せられている発言に間違いない。
それは、一般の方にいったのではなく、我々のデモを妨害した朝鮮総連の方にいった言葉で朝鮮学校の方に言った言葉ではない。

◆3月28日のデモ
関与しました。私が基本的にデモ隊を指揮しました。段取りは中谷の証言と一致する。
◆デモ当日、警察と仮処分に関するやりとりがあったがおぼえているか。
覚えている。
◆仮処分があったことは知っていたか
ネットでも出ていましたし、警察もいっていたが、私が仮処分を受けているか?現場を離れているわけにはいかない。混乱になるだろうと思い、最後までつれそいました。
仮処分は受け取っていません。(だから内容がわからない)
(仮処分決定の通知は)内容は知らない。

(筆者:この仮処分決定の通知内容の認知については、中谷氏証言と一緒で、新聞報道の内容を読んだという証言の時点で、通知内容を知りえたともいえるが、原告弁護団の反対尋問を待つ)

仮に仮処分が出ていたとして、日曜日だと子供たちがいないので大義を通すため決行した。
1月14日は子供たちがいる事を配慮は、まったく念頭になかった。
何故なら、朝鮮学校というものは巨大な朝鮮総連の傘下の元であり、これに立ち向かうという事でまったく念頭になかった。

(筆者:ところが以下、徳永氏とのやりとり)

◆12月4日に問題があると、それは子供たちがいるといっているが、1月14日は思いが及ばなかったという事か?
思いませんでした。
◆12月4日には中谷さんをその事で叱責しているのに、1月14日は思いが及ばなかったというのは矛盾していると思うがその点は?
マスコミが(不法占拠をしているという)大義を子供の事にすり替えている、かたよっていたので。
◆認識に矛盾がある事を認めますか?
認める。

(筆者:もう、無茶苦茶である。12月4日は子供がいたという事で中谷氏を叱責しながら、1月14日はそれを思い浮かばず、3月28日もそれに続いている。ここらは後にいう「大義」との整合性をとるために矛盾を認めたという感じがする)


◆仮処分のやりとりの後、機動隊がデモ隊を取り囲む状況があった。
こういう状況は予想していない。
◆総連からの妨害、挑発が激しくあった。
てめえ、こら西村、いわゆる京都弁で罵声をあびせる。
◆いや、それ京都弁というんですか?
(法廷内、笑)


服装の乱れた少年たちのあり妨害があり、なかなか出発しない。
警察の指揮が杜撰だった。
「朝鮮メス豚」「キムチメス豚」とあるが、特定の女性にいった。不特定多数にはいってない。
「ウジ虫、ゴキブリ」はデモの妨害をする活動家と思しき人たちにいった言葉で、朝鮮学校関係者にいった言葉ではない。
ダイエットしろとか言ったのは総連の活動家のリーダ格と思しき人にいった
その人は機動隊ととっくみあいをしていた。
この日のデモの趣旨は勧進橋児童公園の不法占拠を掲げるデモで、途中から妨害が激しくなり、途中で終わったのは残念に思っている。

(筆者:これは裁判で何らかの過程で出てくると思うが、その人は学校児童父兄である。西村修平氏は頭に血が上ったというが、特定だろうが、不特定だろうが、発せられた文言がヘイトスピーチに何ら変わりない)

(ここで、徳永氏)
◆デモというよりも罵り合いをやっているだけだ、これは政治活動なのか
自信の技量不足だった。
◆反省しているのか。
反省しています。
◆美玖氏を覚えているか。
覚えている。ウグイスのカンペは西村斉からもらって、そのまま美玖氏に渡した。
◆朝鮮進駐軍といっているが、貴方は容認していたという事か
はい。
◆いま、どのように思っているか
道義的な責任はまぬがれない。内容については正当だと考えている。美玖さんは、キムチといってる 過激だなと。
西村修平さんもいってる
ああ、いってます
◆関西が過激だというが、貴方にかなわいと思うけど
それは認識してます。
頭に血がのぼって理性をうしなったと反省している
◆不法占拠の問題でなぜパチンコ屋解体となるのか
朝鮮学校朝鮮総連と一体の組織であって、警察と癒着の構造となっている。脱税の温床になってその資金が北朝鮮に流れている。
◆この事件の総括をしているのか
反省するものです
我々は不特定多数の社会に言論、大義で訴えるのもで、賛同を得られるものでなければならない手法をとらなければ、それがなければ孤立する。反社会的な存在となる。若い人たち大義に酔いしれて手法をとんでもない目にあう、人生を無駄にする、社会に迷惑をかける。
朝鮮学校の運営に支障をきたした、特に、出自は選べない、韓国籍とか北朝鮮籍の人たちとか、我々は手段を選ばずにレイシズムのような発言はよろしくないと我々内部では深く反省しています。
◆貴方自身の発言はレイシズムに囚われていなかったのか。
一時は囚われていました、それは巨大な朝鮮総連に立ち向かうには裸の我々は相当な危険を覚悟しなければならなかったから。

◆陳述書にこういうくだりがある
「その大義と手法が正しいものであったのかどうか、世論の賛同を得たかと考えたとき深く反省するものがある、なんの罪もない子供たちを巻き込んで学校の運営に支障をきたしたという事実、愚かな言い訳に聞こえるだろうが、当時学校で授業を受けていただろう子供たちへの配慮や、イマジネーションがまったく欠けていたというのが実際である。そして朝鮮総連、マスコミがいう弱いものいじめや民族差別という批判を招いて大義を汚した事を深く反省する」
いま、私の気持ちです。
◆「しかし、同時に朝鮮総連の不法に対する抗議活動を、子供たちに対するヘイトスピーチなどというレッテルを貼る事に抗議する。
この気持ちを被害者の方々に表明した事はありますか とんでもない迷惑をかけたとして、
この場に(学校)父兄もいると思われますので、その人たちにご迷惑をかけたという事で私が深くお詫び申し上げます。

(ここで、傍聴席に向かって、)

朝鮮学校の方がたくさんいると思い、自分たちの大義が独りよがり、みなさんの中にご迷惑をかけたという事は、西村修平が深くお詫びします」



筆者は、この西村修平氏の謝罪は、彼がいうとこの「大義」を生かすための謝罪であると感じる。そういう意味では積極的な謝罪と言えるが、果たして被害者である朝鮮学校に対する真摯な謝罪であるかと言えばそれはいまだに独りよがりだと言わざる得ない。
何故なら、彼の「大義」なるものは、「不法占拠を続けた朝鮮学校に対する抗議」にあり、その主張は何ら取り下げられていない。
中谷氏も含めて、西村修平氏の謝罪も「授業をしていた子供たちに迷惑をかけた」としてのものであり、そこから悪魔化した「北朝鮮」をキーワードに「総連と一体化した朝鮮学校」というものから何も抜け出せていない。だからこそ「謝罪」の後に中谷氏は「子供たちのすこやかな成長にとって本当にふさわしいのか、という事をやはり同時に反省していただいて」などという盗人猛々しい寝言をほざき、西村修平氏は「朝鮮総連の不法に対する抗議活動」という事実認識からして言いがかりと言えるものを言ってのけられるのだ。
その「大義」自体が間違っていると思わないのだろうか。何回もいうが朝鮮学校の公園使用は不法と呼べるものなのか。総連とはそんなに悪なのか。原告らがどのような思いで、あの朝鮮学校を育んできたか、少しは考えた事はあるのだろうか。父兄はどのような思いで子供たちを朝鮮学校に通わせる選択をしたのかを少しは調べた事があるのだろうか。
相手を悪魔化し理解をしようともせずに、間違った「大義」をただ生かすためだけの謝罪というものは、結局、何処までいっても独りよがりな空虚な空念仏であり、自分を安心させるためだけのものだ。そのような手前のための「総括」「反省」「謝罪」など原告が受け入れられるものはない。


さてここで、本来なら、西村修平氏への原告側の反対尋問となるとこだが、時間が押し迫っており、裁判長の提案として、西村修平氏への反対尋問は次回以降に延期となった。
さらに、以降の裁判日程の取り決めが行われ、事件首謀者と目される西村斉氏、荒巻両氏が現在「ロート製薬強要事件」で収監されており、何時出てこられるか未定であり、また、原告側が証拠物として提出した「ネットと愛国」を読まれた影響か?裁判長より在特会会長高田誠氏の召喚を提案し、被告代理人が受け入れた形となった。
前回まで抵抗していた感があったのだが、推測するに、前回口頭弁論以降に被告代理人徳永弁護士と高田誠氏の間に承諾の意思があったかもしれない。
裁判長は、在特会の資金とか組織について興味がおありのような発言があり、これも「ネットと愛国」の効果なのだろうか。
また、徳永弁護士より、尋問時間を長く確保するために、尋問内容をできるだけ陳述書に載せて時間の手間をはぶくという提案もなされ、協力的な姿勢を明らかにした。
後は、その陳述書の提出を期限に間に合わせていただければいう事はない。
さて、そういう訳で以下が今後の裁判予定となった。


第14回 9月26日 八木氏、川東氏(西村斉氏の予定がつけば交代)
第15回 11月14日 高田誠氏、西村修平
第16回 1月16日 学校父兄である龍谷大教員K氏、学校父兄氏
第17回 3月13日 朝鮮学校教員氏、同志社教員板垣竜太氏


筆者としては、当然、事件の首謀者と目される西村斉氏、荒巻氏の尋問も必要だと思うのだが、さらに言えば思いのたけを話してくれる「正直者」の川東氏には是非出てきていただきたいのだが・・。




本日のグルメレポート
河原町丸太町交差点、東南方向角。食堂「初音」。ここらに用事でいくとき食べにいくのだが、なぜか休みになっている日が多い。何故だ?とよく考えたら、定休日である水曜日にいく事が多いからと最近気が付いた・・。安くてうまくてウンマー。