第6回口頭弁論追記

第6回口頭弁論まで裁判を傍聴し裁判記録に目を通し被告側の言い分とはなんなのかを考えてみたが、結局、例の学校側に対して「50年に及ぶ不法占拠」と言うものがあったから「抗議」したというものであり、その上で朝鮮学校を悪魔化し、ありもしない「在日特権」という妄想を繰り広げているだけと言っていい。
まず、被告らは「50年に及ぶ不法占拠」というものが刑事裁判において否定された事実についてどう辻褄を合せようというのだろうか?確かに同じ事件において刑事裁判と民事裁判では違えた判決が出た事例はあるが、ことこの朝鮮学校嫌がらせ事件において、これがひっくり返るというのはあり得ない。何故なら被告らは「50年に及ぶ不法占拠」という証拠を裁判においては何一つ提示しえていないのだ。そこにあるのは空虚な空念仏のみだ。
例えば、被告のいう「近隣住民」というものの苦情があったとしても、学校父兄が行事でグラウンドを使用していたとしても、それが「50年に及ぶ不法占拠」にどのように結び付くのだ?被告らは公園使用の実態をまるで理解しているとは思えない。破綻したロジックにいつまでしがみついているのだろうか。
しかし、最も言わなければならないのは被告らは何の目的があって、学校前で騒乱を起こし、朝鮮学校を攻撃したかだ。
先のエントリーで述べたが、被告らは「朝鮮学校」であるがために襲撃したと白状している。学校の公園使用のどこをどうしたら「領土問題」になるのだ?北朝鮮に結び付けようとする被告らのロジックを聞いてもさっぱりわからない。
まさか、京都南区の勧進橋児童公園で、竹島や、北方4島のように国家の紛争と同じレベルのそら恐ろしいものがあったとは「被告らとその熱烈な支援者」以外知らないだろう。断言していいが、間違いなく公園を管理する京都禄地管理課は知らないだろうし、近隣住民のみなさんも気がついてない。そう「被告らとその熱烈な支援者」以外、誰も知らない。
ここらは、前のエントリーにあげた「在特会の主張」と同じく裁判所に色眼鏡で見られる事がうけあいの文言として筆者は個人的に推奨する。
あとは、是非、例の「アパルトヘイト」について書面にしてくれれば言う事はない。あれこそ、在特会会長である桜井誠(本名 高田誠)氏が熱烈に語ったはずの主張であるのに、それを何故、徳永弁護士は書面にしないのだろう。それが不思議だ。


さて、このような被告らの性根が、この事件を事実上のヘイトクライム裁判にならしめている。その流れで徳永弁護士は「被告側準備書面5」の「3 ヘイトスピーチについて」で
ヘイトスピーチに関する原告の主張については、次回期日において乙号14号証ないし乙号18号証の論文に基づいて反論を行う予定であり、併せ て、原告が問題としている被告らの各言動についてそれぞれ個別の違法性等について論じる」
と予告している。
その乙号14号証と乙号18号証とは以下のものである。

乙14 「ヘイトスピーチと「表現」の境界」九大法学94号 梶原健佑
乙18 判例自治297号 東京都知事女性差別発言名誉権損害賠償請求事件 岩嵜勝成


徳永弁護士としては、被告らが行ったヘイトスピーチに対して、それはヘイトスピーチと呼べないと言いたいらしいが、被告らの「都合のいい発言の部分」だけの抽出で体裁を繕うとしているように見える。はてさてどうだろう。
妄想のつきない被告らになりかわり孤軍奮闘する徳永弁護士の書面をまちたい。



最後に次回口頭弁論に向けて。

準備事項
被告側 
平成23年8月末日までに、追加の主張書面及び証拠調べの予定・方法を記載した書面を提出する。
裁判所
次回期日までに争点整理案を作成する。




本日のグルメレポート。
京都御所近くの老舗のそば屋「尾張屋」。そばと鰻は関東が確かにうまいが、ここも負けていません。小さな庭を見ながらほっこり。