京都・徳島襲撃事件刑事第4回公判傍聴記 2 

続いて弁護側の弁論がなされた。鈴木弁護士より、主要には再び表現の自由と市民的抗議活動の一環というものだ。政治的主張をする市民に対して国家が介入するのは正しい解決方法かというもので、民主主義としては国家の介入は被害者のためにもならないといい。政治的言動は保障されねばならない事を述べていたが、いったい被告人弁護士らは被告らが「政治的主張」をしていたと本気で思っているのだろうか?多分思っちゃいないだろうが、プロとしての仕事だから言っているんだろうなとぼんやり聞いていた。できれば立川ビラ撒き事件の裁判の時にでも言ってくれりゃ説得力があったのだろうなと。その上で侮辱罪ではないとの趣旨であった。一つだけ面白かったのは、某東京知事が何回も暴言をしたが彼は侮辱罪で起訴されていないといったとこか。しかしそれは、東京都民は皮肉の意味で寛容ではあるけど、某知事の暴言にさらされるマイノリティは決して許しているものではないと思うのだが。また渡辺弁護士より、朝鮮学校側が公園を不法占拠していたがために起こった事件として、警察官も傍にいたとして決して騒乱を起こす事を目的としたものではないとして威力業務妨害を否定した。しかしまあ、あの事件映像を見たらそれはないだろうという無茶ぶりである。被告の言い分を法的にアレンジはしてはいるが、筆者として担当弁護人らに、大変ですねと一言声をかけたくなるものであった。
そして、徳永弁護士は本日もまたその立川ビラの件での毛利氏の著作を民事に続いて読みあげていましたよ。ええ、法廷から失笑がもれました。しかし、単なる粗暴犯を護るために使われる「表現の自由」というものはつくづく可哀想だなと。
はっきりいうが、担当弁護士らは被告らと利害関係なしで、あの京都・徳島の事件の映像を見て無罪と言うとは思えない。それだけにプロの姿勢ではあるのだろうけど筆者には痛々しい姿としか映らなかった。


そして被告人らの最終陳述となる。
まず西村斉被告から。
「最も私が主張しておきたい事は次の点です。一つ、今回の抗議行動で私は良識ある日本の市民に迷惑をかけ被害を及ぼし秩序を乱す意図はまったくありませんでした。京都事件では朝鮮学校の公園不法占拠という明白な横暴を市民の皆さんにも理解してもらうため、やむなくとった抗議行動です。その点を是非ご理解下さい。また朝礼台とサッカーゴールを敷地内に撤去させるという目的を達成すれば退去する予定でした。すぐに警察が来る事も予想しており、警察の指導には従うつもりでしたが、現場では予定どおり1時間弱の抗議行動を終えて現場を離れていきました。警察からは特に停止や制止の指示もなく政治的な抗議として許される範囲内の言動に止めております。徳島事件では、また日教組があしなが募金でお金を集めるふりをしながら連合に一括して寄付した上でまた寄付をするやり方はマネーロンダリングと同じです。あしなが募金に応じた市民が四国朝鮮学校の寄付に使われる事など予想するでしょうか。詐欺まがいと私たちが理解した事について今でも間違っていないと確認しております。よりによって何故朝鮮学校に寄付などしなければならないのでしょうか。市民が本当に納得するのでしょうか。その思いをぶつけるための抗議行動を今回おこなったものです。建物に入った後受付の人が明らかに二階にいくように指示を受けました。それで二階とは連絡がとれているものと判断して、事務所にいったものです。室内でもすぐに警察が複数名いており、その監視下で抗議をしました。そこで制止・停止命令を受ける事もなく途中で警察官が後5分で退去するように指示があったので、それに従いむしろ早めに切り上げて現場を退去しております。政治運動の拠点で政治的な抗議をおこなった行為に留まります。今回の私が行った朝鮮学校日教組に対する抗議方法について「やりすぎで人権を軽視している」という意見をよく耳にします。また、朝鮮学校日教組 を支持する人達は朝鮮民族、中国人の文化は素晴らしいので日本人も見習わなければ多文化共生の時代に日本人は取り残されるという意見を多々耳にします。ならば反対に考えて見て下さい。今回の事件のように、朝鮮や中国で万が一にも日本人学校が近くの公園を長年に渡り不法に占拠したり、朝鮮、中国を罵る教育をしたら朝鮮人や中国人は今回の私達が行ったような生ぬるい抗議ですませるでしょうか。例えばよく報道でもありますように日本政府、日本の正当な抗議に対しても中国では日本大使館に火炎瓶は投げる、金属球は打ち込む、レンガ、角材は投げる、生卵を投げる、日本大使の車を破壊する、日本企業を襲い、商品は盗む、店ごと破壊する、そういう事を起こすのが中国です。中国では延々と行われている抗議方法の言わばこれが世界基準の抗議方法です。私達はそのような、暴力、破壊行為は一切行わず、マイク一本で抗議したんです。中国が認める国際基準に照らし合わせると今回の私達が行った程度の抗議方法は受忍限度内の事です。日頃、朝鮮学校日教組を支持する人達は朝鮮民族、中国人の文化は素晴らしいので日本人も見習わなければ多文化共生の時代に日本人は取り残されるという事を言っています。そういう人に一言 私が言いたい事は日本国を貶める活動を行っているにも拘らず今回のような生ぬるい抗議で済んだのだから大変、日教組朝鮮学校は私たちに対して有り難く思って欲しいと思います。要するに国が起つ行動をしているのは私達であり国を滅ぼす行動をしているのが朝鮮学校日教組である事は良識ある愚民ではない国民なら皆知っている事実であります。最後にこれからの私の政治的な活動方法について述べます。今までは、おもに問題提起重視でした。だから今回の抗議方法のように街頭に出て政治的な表現行為として許される限界までの事を行動で示しました。しかし、こういった合法と違法のスレスレのとこで行う街頭抗議行動は今後は致しません。むしろおもに法的な活動に重点を置きます。そしてわが国の国益を貶める相手が最も嫌がる行う基本姿勢は、やり方は180度変われ。この基本姿勢は貫きます。つまり朝鮮学校日教組が抱えている矛盾と問題点を指摘して我が国と国民の国益を損なう存在である事を白日の元に晒す事。その意味で相手の嫌がる抗議方針はまったく変えるつもりはございません。」

川東被告
「まず、スピーカーですけど、あのまま放置すれば朝鮮学校の子供達が感電死するので、僕が撤去して、朝鮮学校の子供達が感電死する不測の事態を防いだと思うのですけど、これはね、朝鮮人であれ日本人であれ、子供の宝だと思います。その生命を守れたので、それはそれで良かったと思います。朝鮮人朝鮮学校に通っている子供が感電死、子供に罪はないと思います。で、Tさんですね。僕たちの抗議によって相当深い傷を負って二度とこんなつらい思いをする人がいないようにしたいと言っておりましたが、私もそのような気持ちでやっております。えー、北朝鮮ですね。日本の上空を通過するようなミサイルを飛ばして、えー、それも、ひょっとしたら日本に落ちるかもしれない稚拙な技術で日本の上空を通るミサイルを打ちました。その事によってですね、日本中の多くの子供達が、ひょっとして自分達の頭の上に落ちてくるんじゃないのか、みんな怯えて、ねっ、怖がって、心に大きな傷をもちました。そのような子供達を、これから先無くしていきたいと思ってます。えー、そのためにですね。えー、北朝鮮の核開発、ミサイル開発、そのような危険をなんとか、えー、日教組の徳島教組が行った150万の寄付ですね。北朝鮮の援助に繋がるお金の流れ、これが全てミサイル開発、核開発に繋がっていると思います。そのために日本上空を越えるミサイルを恐れて、日本人の多くの子供たちも非常に怯えて怖がっております。こういういった子供たちがこれから出ないように、Tさんもその辺ちょっと考えて行動してほしいなと考えます。それとですね、私もこれから先、日本国内にいる在日韓国・朝鮮人が不当な差別を受けて非常に、ま、差別によって苦しんでいます。その最たるものは入管特例法という法の下の平等に反する、人種差別、民族差別を強調する入管特例法ですね。これによって多くの朝鮮人が不当な差別によって苦しんでおります。私はそういった在日韓国・朝鮮人が苦しめる不当な差別の元凶である入管特例法の廃止を目指して、日本に暮らしている在日韓国・朝鮮人に行われている差別の撤廃を目指して、これからも頑張っていきたいと思います。」

荒巻被告
「えー。政治的言動をね、我々はやっている意味でね、政治的言動で(対抗を)やるべきだと私は思います。国家権力を使って、これは明らかに暴力であると、私はそういう風におもっております。やはり、政治的言動で言ったんですから、市民団体であるんで、政治的言動で対抗してほしい。そして鈴木弁護士の言った中で、えー、人や他人を思う心情は正しい評価をされるべきでしょう。被告人の政治的信条に批判的な人は刑罰に頼るのではなく自らの言葉で考えるべきであると言いました。以上。」

中谷辰一郎被告
「冒頭にこのたびの震災によって亡くなられた方々、並びに公務で犠牲になられた自衛隊、警察官、消防士方々、また、自治体の関係者の方々に対して哀悼の意を捧げたいと思います。また、現在も被災地で苦しんでおられる皆様にお見舞いの言葉を表明したいと思います。で、本題でありますけれども、たらちねの にわの教えは せまけれど ひろき世にたつ もといとぞなる これは明治天皇の御製でございます。母親と、またおばあさんと、遊ぶ、この距離感というものが、実に狭いけれども、これが大きくなった時、社会にべたつきの?というような形の教育の???でございます。また、アメリカの教育評論家はこういっております。繋がりは人生の全てある。このように申します。実際、その児童公園であります、ここは聖地と言っても過言ではありません。お母さんに手を引っ張れて、おばあちゃんに手を引っ張られて、おとうさんに手を引っ張られて遊ぶ場所であります。そこに禁止されているボール遊びでありますとか、そういった一日に何回も使う人たちによって、声をあげられない人たちがいるのです。子供は、子供ながらに両親のその姿をみる事によってどのように思うのでしょうか。どうして抗議してくれないのか、どうして私は公園で遊べないのか。このような形で親に対して不信感をもつわけです。昨今、若者の犯罪がクローズアップされておりますけど、とんでもない。昭和30年代前後、この時が今よりも、現在よりも5倍の犯罪、凶悪事件があった訳です。何故か。戦後の荒廃に三国人朝鮮人の人らが暴れた。これを官憲が取り締まる事ができなかった。これを子供ながら見て、この国は道義もない。法を護る法治社会でもない。こういう形で小さい視点から見た子供達がやがて10年後、社会に対しての向けた反抗心、こういうのではなかったかと思います。ですから私は、こういった活動をして動画をあげる事によって、日本もまだまだ捨てたもんじゃないと、こういった不法行為に対しては毅然と声を上げる日本人もいてるんだ、観光地だから、観光地であるから賑わっているからいいじゃないか、そんな事ではない。タコ焼き屋が市営の市有地に立てて、そんなとこで20年も30年もやってる、そら、タコのサイズも大きくなりますって。道路上で不法の屋台が並んでいる、こんなもんも取り締まれない、そら、安くておいしいもんがでますよ。だけど日本は法治国家ですから、こういったものは必ず取り締まらなければいけない、こういった小さい事ですけれども、声なき声を聞き見る、よしとし?大警視?意思を再現して頂きたい。このような形で我々は社会に対して問題提議のためにやったのです。憲法前文にも書かれております。私達だけではないんです。後世の子供達の事も考えてやったんです。私達がやった活動の要因は何かと言えば、お金ではありません。また憎悪でもありません。憎しみでもありません。名誉でもありません。私達が行動を起こした原因、これは愛であると、このように思っております。」

上記、被告らの最終陳述が済んだ後、すぐに閉廷された。これでこの京都・徳島襲撃事件刑事裁判の結審である。
筆者は、正直、この被告らの最終陳述を、いやになりながらもできるだけ正確にと書き写した。何故か。それは読者のみなさんに被告らの底の見えない馬鹿さ加減を知ってもらうためだ。被告らの言い分には何一つ組むものはない。事実誤認、思い込み、身勝手、迷惑千万な無法ぶりのオンパレードである。さらに法廷を何かの舞台と勘違いしているかのような滑稽ぶりがわかるだろうか。これは滑稽と同時に法廷に対する愚弄である。
さて、西村斉被告の身勝手な屁理屈と事実の歪曲は今更ながらではあるが「朝鮮民族、中国人の文化は素晴らしいので日本人も見習わなければ多文化共生の時代に日本人は取り残されるという事を言っています。」というのは、いったい何処の誰の言っているのだ?そして被害者をさらに踏みつけるその言動の数々は、その程度の低さと相まって、被告の薄っぺらな人格そのままを表現しているように思える。また川東被告の子供、在日コリアンに対する手前勝手な妄想は彼の気色悪さを倍増し、差別撤廃を言いながら入管特例法の廃止をうたうその欺瞞性は差別を生みだす張本人はこの人物そのものであると言っているようなものである。さらに荒巻被告は自分が何を言っているのかわかっているのだろうか?荒巻被告は粗暴犯として法廷に引きずり出されたのだ。そこには被告らの意味不明な政治的主張とやらは存在するものではない。あと、中谷被告のいっている意味がわからない。推測するに、そんなに小さな順法精神があるなら、自ら犯した粗暴の事実を反省し、被害者に謝罪するのが法治の在り方ではないのか。
また、西村斉被告の最終陳述が終わった時、在特会側よりまばらな拍手がおこり、裁判所より叱責された。離れたとこより「アホか」というつぶやきが聞こえたが、まさにアホかである。被告及び被告側同調者らは何かの本懐を遂げたと思っているのだろうか?法廷内において反省もなしで言いたい事を言ったから?自分達の自分勝手な主張を貫けたから?なんだろう、この気色悪さは。
その流れは、その被告とそれをとりまく在特会側が、裁判閉廷後に「打ち上げ会」的な生放送でも続いていた。
在特会】京都朝鮮学校徳島県教組襲撃事件刑事公判結審後の被告人ら
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酒により赤らめた顔で、彼らのバカ騒ぎは続いた。
長い放送終わった後も、別のところでさらに生放送が続いていた。最後の生放送は、西村斉被告の自宅からで、在特会千葉支部長と酔っ払いながらの放送であった。そこでぽつりと西村斉被告はつぶやく。
「弁当がついた。よかった。」とつぶやいた。つまり執行猶予がついたと思ったのか、それを喜んでいるのだ。

筆者は、やっと意味がわかった。被告らの裁判終了後の意味不明なバカ騒ぎは被告達が執行猶予をとれたと思い喜んでいたのだと。
確かに求刑はそれぞれ西村斉被告2年、川東被告、荒巻被告1年6カ月、中谷被告1年だ。初犯なら普通に執行猶予がとれる求刑である。しかし、彼らは不思議な思い違いをしている。刑を決めるのは検察ではない。裁判官である。そして今までの判例の積み重ねというものは、情状酌量の余地がある、つまり罪に対する反省の上で執行猶予というものがつくのだ。

次回公判は4月21日(木曜日)3時より。209号法廷。判決。




最後に、当ブログは今まで被告らの人権に配慮しイニシャルによる人物の特定をしていたが、次回判決において有罪が出され、なお且つ控訴しない限りにおいて過去のエントリーも含め実名表記とさせてもらう事とする。そして主要人物らが有罪となり多くの粗暴事件を重ねる在特会及びチーム関西というものは「犯罪者集団」としての扱いとする。