京都朝鮮学校いやがらせ事件民事裁判傍聴記


昨年度12月に起こされた「主権回復を目指す会」「在日特権を許さない市民の会」のメンバーらによる京都朝鮮学校第一初級学校襲撃も含めて計3回にも及ぶ街宣、デモ活動に対する原告京都朝鮮学園、被告在特会含む10名の民事裁判に行ってまいりました。

朝10時より傍聴するための抽選もあり、京都地方裁判所入口前には10時前より多くの人が集まっていました。
人数を見るに学校側支援者が約80名程、在特会側が約15名程。他整理のために駆り出された裁判所職員が20名程と在特会側の向こうに公安が10名程か。在特会側には映像でお馴染みのメンツは少なくほとんど知らない人らで、やはり主力組が堀の向こうにいるので動員もこんなものとなっているのか。
傍聴席が75名なので確率的に2分の1というとこだが、当たりとなり裁判所室内へ。

傍聴席に入り席はすぐにうまりあたりを見回すと、傍聴席75のうち在特会側は7名程でそれ以外は取材陣8人を抜きほとんど学校側支援者であると思われる。
さらに原告席には13名の弁護士、被告席の在特会側には八木氏と最初弁護士かな?と間違えてしまったエおじいちゃんの2名がポツンといた。
これもう勝負にならんわ。

裁判長が入廷し、まず被告人へ答弁書の確認を求め、ここで被告が誰であるのかを言ったと思うのだが、マイクのせいかよく聞き取れなかった。
西村修平、川東、荒巻、ブレノ、西村斉、中谷、エロ仙人似?、え、誰?という一人までは聞いているのだが他がわからない。(後でウォッチャーの方と話して川東はなかったと聞いたが、メモを読み返すと確かに出ているのでそのまま書く)
被告である在特会側は10名と確認していたが残り2名が聞こえなかった。恐らく一人は桜井だと思うが。

続いて原告より訴状趣旨を読みあげられる。
と読み上げられている最中に、え、誰の正体である在特ウグイス嬢の美久氏が遅刻して被告席へ。裁判長に注意を受ける。印象が悪くなるなこれは

で、原告の訴状趣旨読み上げ続き。(以下は後の報告集会で頂いたレジュメより抜粋)
①請求の趣旨の第一として、原告は、被告在日特権を許さない会らに対して京都朝鮮第一初級学校周辺で、学校関係者らに対して面談を強要し、拡声器を使用して、又は大声をあげるなどをして、原告を非難、誹謗中傷するなどのシュプレヒコールをすること、原告を非難、誹謗中傷する内容のビラを配布すること、誹謗中傷するような文言を記載した旗や幟を掲げ、佇立、又は徘徊することを禁止する判決を求めています。
②また、第二に、原告は、被告に対して被告らが既に行った街宣等の行為により精神的・物理的損害を生じたとして損害賠償を求めています。
損害賠償の対象としているのは、被告らが行った平成21年12月4日、平成22年1月14日、同年3月28日の各行為で、それぞれの行為に対して、被告らは連帯して金1000万円の金員を支払え、したがって3回全てに関与した被告には3000万円を支払えとしています。

後、請求の原因、事実関係、原告が被った損害、人格権に基づく差し止め請求権。本件事件の社会的影響、まとめと続きますが、すいません。これ全部書き起こしするのはつらいので、以下私の簡単なまとめでご勘弁を。

事実関係に関しては既にこの3回に渡る在特会側の街宣、デモがネット上の映像で確認でき、ここにこられた方らはご存じだと思いますが、訴状にはその時の学校内部で児童らの怯えた様子がえがかれ、それをうけて児童らを護るための保護者らの警戒のための行動が記されています。
その上で原告が有形無形の甚大な被害をこうむった事が書かれ3000万を請求するに至った経緯が記されています。
そして朝鮮学校の重要性を訴え、それをないがしろにする在特会側の一連の行動を批判しています。またこの事件は社会的に少数者である在日コリアンへの不当な差別の一環であり、子供や少数民族といった社会的弱者を社会から排撃しカタルシスを覚える層がおり悪質であるとし、これらの排外行為の違法性は明らかであり言論活動の元でおこなわれるからといって決して放置されてはならない。この排外的風潮を人権保障の最後の砦である司法が担うべき責任を訴えています。


以上。簡単ですが趣旨の説明でした。
そして引き続き朝鮮小学校出身の原告側弁護士より、嘗てのチマチョゴリ引き裂き事件時に小学生であった自身の恐怖の日々の体験を語った。
これは当事者でなければ語りえない告白であったと思う。
が、この体験談を語っているその時に、在特会八木氏は薄笑いを浮かべていたのが見えた。ネットde真実脳には、チマチョゴリ切り裂き事件は自作自演であるとしか見えないのだろう。

その後、裁判長より被告側答弁書内容の確認を求められ、簡単なやりとりの上、裁判長より在特側の弁護士がまだ決まっておらず、次回までに弁護士を決めて書面を出す事となったようです。
つうか、刑事事件も引き起こして、この裁判の日程もはやくに決まっていたのに、未だに弁護士もきまっていないとはなんなのだろう。連中には危機感はないのか?グダグダにも程がある。

そしてそれぞれに裁判長が何かいっておく事がないかと促すと学校側弁護士より美久氏に対して提出書面で書かれた「私は主権回復の主催のものには2回しか参加しておりません」という事に書面での釈明を求めた。
どうも美久氏はこの期に及んで自分は主権回復の活動はそれほどの活動はしていなくて大した責任ないですよと言いたいらしい。在特会界隈の活動にこの時期皆勤賞の美久氏のなんとも見苦しいいい訳ですな。

そして、次回日程が裁判長より11月30日を指定されたが八木氏は都合が悪いと表明。社会的に大きな注目をあびており大きな法廷の確保の問題もあり、11月30日が流れれば大きく日程がずれるかもしれない項が説明あり終了。

この後、学校側の報告集会に言ってきましたが多くの参加者がおり、また学校側児童父兄の訴えなどあり感動的な盛り上がりでした。本来ならこれもちゃんと書くべきですが、今後折をみて学校側の訴えを取り上げるという事でご容赦を。
さて、朝鮮学校側の狙いとしては、まずこの事件は差別問題を語る上で大変重要な位置づけであり、排外主義的風潮に裁判を通じて反撃するという姿勢です。その上で排外的な問題を罪とみなし、3000万という金額のどこまで迫れるかというとこでしょうか。
在特会側は恐らく刑事事件での立件が重なる予想で、刑事事件での裁判が何時から始まるか、何件の裁判を抱えるかの事情もあり、民事が先行する可能性が高いと思われます。
(といっても、刑事で在特会側の反証が取るにたらず切って捨てられ早期に結審する可能性もあります)
在特会はもちろん事、社会の排外的風潮のこの先を占う意味で重要な裁判になると思われますので注視していきたいと思います。



タイトルについて。
個人的には「京都朝鮮学校襲撃事件」を使用していたのだが、学校側弁護団が呼称を「京都朝鮮学校いやがらせ事件」としていたのでタイトルをそのとうりしました。まあ法的趣旨に沿ったものだと思いますが、どうもインパクトが・・。



最後に今日の裁判の端的な感想を。
勝負になりませんよこれ。
学校側弁護団が原告席にいっぱいいてドン!席がないくらいうまってます。しかも大学教授つきですよ。それに対して在特会側は被告席にど素人3人がポツンと。
その光景を最初見た瞬間に、なんというか、ライオン対ねこ? アントニオ猪木江頭2:50? B29対竹やり? 

ま、そんな感じです。


追記
ツイッター上に今日の被告で在特会法務担当の八木氏のつぶやきがありました。
「第1回口頭弁論出廷の感想です。朝鮮学校側の弁護士が泣き声で自分の体験談を語ったりして楽しかったよ。チマチョゴリ切り裂き事件を引用した時には吹き出しそうになりました。次回11月30日10時です」
http://bit.ly/bhsByO

次回は11月30日。これは暫定的な予定日です。(官報まち)
でも、八木氏は裁判の恐ろしさを何もわかっていないようです。
こういう彼が在特会の法務担当ですから連中のボンクラぶりが妙に納得できました。